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[日本の飲食業調査]と「運転席三菱、助手席日立」の経営品質

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アメリカから帰国して、2日連続の真夏日。
日本列島を包む高気圧。
中国大陸から流れ込んだ暖かい風。

5月の連続真夏日は、11年ぶりだとか。

朝から、横浜市立白幡小学校へ。DSCN1919-5

緑が一段と濃くなった。DSCN1920-5

小学校では英語教育に、
力を入れ始めた。
DSCN1916-5

校庭にも暑い日差しが注ぐ。DSCN1923-5

低学年は体育の授業。DSCN1917-5
私の子供たちが、この学校を卒業した。
このグランドで遊び、学び、
運動会をやり、ソフトボールに励んだ。

20年ほど前、
私はこの学校のPTA会長を務め、
その後も、何かと関わってきた。

いつも外に出かけている身としては、
少しでも地域のお役に立ちたい。

今日は、この白幡小学校の、
文化・スポーツクラブ事業の総会。
以前は会長だったが、
いまは会計監査。

平成26年度も事業は、
つつがなく終了し、
平成27年度予算案も、
了承された。

商人舎magazineの、
Daily商人舎は、
日経MJ[日本の飲食業調査]
1位マクドナルド、2位ゼンショー、3位すかいらーく。

コロワイドグループは、昨年10月、
カッパ・クリエイトホールディングスを買収して、
第4位に躍進。
回転寿司の「かっぱ寿司」の会社。

大久保恒夫さんが社長を務める、
セブン&アイ・フードシステムズも、
質の良い売上げを6.8%伸ばして、
20位に上がってきた。

人手不足、採用難は、
相変わらず。

フードサービス業は全体として、
ダウントレンドにある。
けれど、いつも、
質のいい売上げをつくりたいし、
質のいい売上げを増やしたい。

今月の商人舎標語。
現場から経営品質を高めよう!

日経新聞『私の履歴書』
日立製作所元社長・会長の川村隆さん。

2014年2月に、
三菱重工業と火力発電設備事業を統合する。
三菱日立パワーシステムズの発足。

出資額は三菱重工が65%、日立が35%。
共同出資会社が設立され、
両社の火力事業が統合。

「三菱重工が運転席で日立は助手席」
そう言われた。

それでも川村さんは意思決定し、
統合を推進した。

「両社は戦後営々と
技術や事業ノウハウを磨いてきた」。

しかしゼネラル・エレクトリックなど、
世界トップとの差は埋め切れない。

後ろを振り返ると、
中国勢のステートグリッドなども、
力をつけ始めた。

東日本大震災の原発事故によって、
電力自由化が加速。

「日立や三菱重工の重電事業が
本当に世界の列強と互角に戦えるか、
容易ならざる状況であった」

「私たちの火力発電事業を
世界で成長させるには、
この選択肢しかない」

なぜ三菱重工なのか。

「結婚と同じでやはり
相性がよかったのだ」

M&Aの極意。
相性の良さ。

ウォルマートと西友は、
相性がよろしくなかった。
だから時間がかかっている。

「両社とも純朴な企業文化がよく似ている。
ともにモノづくりに情熱を燃やし、
巨大な鍋釜づくりが得意だ」

企業文化。
そして、企業の強み。

しかし何よりも、
川村さんは強調する。

「事業再編を決断するのは経営者だが、
その成否を左右するのは
現場の社員の踏ん張りである」

製造業も外食産業も、
そして小売業も、
経営品質は、現場から、
高められねばならない。

〈結城義晴〉


エバラ食品新本社訪問と大量閉店時代の「二刀流と千手観音」

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ちょっと涼しさが戻った今日。
朝から東京・御成門。

カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
略称CCL。
POSとID-POSデータを活用した、
マーケティング・サポートの会社。
その定例取締役会。

来月は株主総会だ。

その前の月の役員会、
緊張感が漲る。

CCLは4月20日から、新しく、
売れ筋検索のサービスを始めた。
名称はウレコン
「売れ筋コンパス」の略。

つまりは全国の小売業、
おもにスーパーマーケットとドラッグストアの、
POSデータとID-POSデータの情報をもとに、
カテゴリー別、商品別に、
その売れ筋の動向を知ることができるサイト。

7月から有料になるけれど、
6月末までは無料お試し期間。

今夏から、続々と、
新しいサービスがリリースされている。
例えばEagle Eyeは既にリリース。
その次はDolphin Eye

とくにウレコンは、お試し期間中。
お試しください。

昨日夕方は、横浜みなとみらいへ、
エバラ食品工業を訪問。
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ブランドステートメントは、
「こころ、はずむ、おいしさ。」

昨年の5月に、
横浜市西区みなとみらい4丁目4番5号、
横浜アイマークプレイス14階に移転。

入口のところにショールームがある。
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真ん中にあるのは、
「黄金の味」の誕生の背景と豆知識。
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右サイドの壁には、
「エバラ食品のあゆみ」が、
展示されている。
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創業は1958年。
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月の家圓鏡を起用したテレビCMは、
1970年にスタートした。
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懐かしい。現橘家圓蔵も若い。

看板商品の展示もある。
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私の好きな横濱舶来亭のカレーもある。

まず宮崎遵社長の部屋に入った。
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それからこのビルの最上階にあるオフィスを、
ぐるりと案内していただく。
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この一角は全員起立して、
出迎えてくれた。
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「ありがとう」

見晴らしの良いワンフロア。
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快適な執務空間。
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ビルの中央部が空洞になっているので、
その空間を囲むように、
1700坪のオフィスとなっている。
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本社及びテクニカルセンター、
さらに国内グループ会社が集約された。

営業、商品開発、マーケティング、
それに管理部門機能など、
すべてがここに集められている。

フロアの一角に神棚。
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それからカウンターの上に本棚。
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宮崎さんのおすすめの書籍が並ぶ。

背面対置式に並んだ自分たちのデスクで仕事し、
その周辺にあるテーブルで、
すぐにミーティング。

宮崎さんと取締役の近藤康弘さん。
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窓辺には一人用の空間。
テーブルを引き上げると、
打ち合わせもできる。
DSCN1963-5

窓の外にはみなとみらいと横浜港。DSCN1959-5

本社オフィスのとなりのスペースは、
関連会社とも共用できる空間。DSCN1964-5

一番奥はゆったりしたスペース。
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リフレッシュボックス。
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エコモニター。
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そして喫煙ボックス。
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ぐるりとグループ会社オフィスがある。
まずエバラ物流。
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そしてエバラCJフレッシュフーズ。DSCN1984ー4

さらにその奥に、
開発試作室とキッチン。DSCN1990-5

そしてプレゼンテーションルーム。
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ここは
あえて、
家庭のダイニングルームのような仕様にした。

全部見せてもらって、
宮崎さんと握手。
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横浜市西区の隣組。
その本社移転から1年、
やっと訪れることができて、
大いに満足。

プロパー社員で、
4代目代表取締役社長の宮崎遵さん。

そのリーダーシップにふさわしい、
リラックスできるオフィス機能だと感じた。

しかし移転経費は、
工場と同じ思想で省コスト。

全社員参画のアイデアと工夫で、
以前よりもランニングコストは安くなった。

そのうえで、グループの一体感が醸成され、
エバラブランドの価値共有が可能となった。

あとは成果を出すだけ。

もちろんそれも抜かりない。

オフィス視察後は、
すぐ近くのホテルニューグランドへ。
山下公園の前の横浜随一のホテル。

サマセット・モームが、
「月と六ペンス」を執筆したホテル。

そのコーヒーハウス・ザ・カフェ。
シーフードドリア、スパゲッティナポリタン、
そしてプリンア ラ モードは、
ニューグランドから日本中に広がっていった。

そのプリンアラモード。
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堪能した。

社長の宮崎さんは、
㈱ドゥ・ハウスの稲垣佳伸さんから、
マーケティングの薫陶を受けた。

しかも品川生まれの横浜育ち。

私とも随分と縁が深いことがわかって、
一段と酒が進んだ。

最後に、
ずっと付き添ってくれた田中敬二さんも、
加わって写真。
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田中さんは家庭用品開発第一課課長。
去年、アメリカにご一緒した。
バーベキュー上級インストラクターで、
この道のプロとしても有名。

近藤さんは、
昨年の商人舎スペシャルコースに、
参加してくれた。

つまり勉強熱心な会社ということ。

これからも隣組で、
お付き合いしましょう。

さて日経新聞の社説が、
流通問題を取り上げた。
「ネットがもたらす流通業の大量閉店時代」

ヤマダ電機が46店を閉鎖する。
これはDaily商人舎で取り上げたし、
このブログでも問題にした。

アパレルのワールドも、
来春までに400店から500店を閉じる。
これは全体の15%前後。
ワールドはブランド数も約1割減らす。

TSIホールディングスも、
約15%の260店を閉店。
2子会社を解散し、9ブランドを廃止する。
TSIは、東京スタイルと、
サンエー・インターナショナルの、
統合会社。

社説は、これらの現象に共通する目的を、
「不採算店の整理と経営体質の強化」に求める。
同時に「インターネットの影響」を上げる。

ヤマダ電機は、
「地方や郊外の道路沿いに大型店を構え、
大量仕入れと安値販売を軸に成長した」

「しかし近年は
店を持たないネット通販会社による
安値攻勢を受けていた。
住民の高齢化や若者の車離れも
郊外店には不利に働く」

「さらに、店で商品を選び、
その場でスマートフォンなどを通じ
安くネットで買う人も増えている」

ショールーミング現象。

GfKジャパンの調査報告。
日本の家電市場でネット通販が占める比率。
2014年、初めて10%を超えた。

アメリカではそれが25%に達する。

社説は2つの対処法を示す。
「1つはネット通販部門の強化」。

ヨドバシカメラや、
オンワードホールディングス。
ネット部門に力を入れ、
それに応じたマーケティングを展開し、
成果を上げている。

「もう1つは滞在したくなる店づくり」。

社説の論説委員から、
こんなことを聞かされるとは思わなかったが、
高級音響機器体験コーナーを設けた家電店、
店員が知識を磨き来店客に
的確な提案をするファッション雑貨店。

アメリカで言えば、前者はベストバイ、
後者はコンテナストア。

ネブラスカ・ファーニチャー・マートなど、
その極致にある。

「ネット販売の態勢を整えつつ、
店ならではの魅力も提示する」

ウォルマートだって、
どこよりもこの戦略を、
スピーディに、力強く、
推進している。

結びは、
「今後の流通業には、
そうした二刀流が要る」

一言で言えば、
「オムニチャネル戦略」の提案だ。

しかし「オムニ」とは「すべて」を意味する。

だから二刀流ではなく、
千手観音のごとし。

千本の手で千本の刀を、
操らねばならない。

だからといって、
自分の責任で作った店を拙速に閉鎖して、
利益を上げさえすればいいというものではない。

社説はこれには触れなかった。

会社は何のためにあるのか。
商人はいつもいつもそれを、
自問自答していなければならない。

〈結城義晴〉

訃報! 緒方知行さん逝去「老にして学べばすなわち死して朽ちず」

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緒方知行さんが逝った。
1939年3月29日、福岡県生まれ。
76歳。

私の人生で最初の直属の上司。
1977年4月、私のボスは、
㈱商業界『販売革新』編集長だった。
38歳の、眩しいほどのジャーナリストだった。

その後、1981年に、
取締役編集局長に就任し、
翌1982年、退任、独立。
㈱オフィス2020設立。

この会社のネーミングには、
「2020年まで現役で頑張る」
という趣旨が込められていたが、
残念ながらそれは果たせなかった。

1983年、月刊誌『2020AIM』 創刊。
この頃から「生涯編集者」を標榜していた。

会社は㈱オフィス2020新社へ、
そして㈱VALUE CREATOR社へと名称を変え、
最後は『Value Creator』誌編集主幹、
豊の国商人塾塾頭。

同塾は、大分県商店街振興組合連合会の主催で、
緒方さんは生まれ故郷の商人育成を、
ライフワークにしていた。

生まれた地も同じ、
大学も後輩ということで、
私は、随分と目をかけていただいた。
薫陶も受けた。

最初の単行本は、
「イトーヨーカ堂の経営」(日本実業出版)で、
この書は故西村哲さんとの共著。

2冊目が「ジャスコの経営」で、
私はこの取材に、何度か同道した。

印象に残る単行本は、
「イトーヨーカ堂の業革」
「セブン‐イレブン流通情報戦略」
「鈴木敏文  商売の原点・商売の創造」などなど。

2006年には、
私が社長を務めていた商業界から刊行。
「セブン-イレブンのビジネスイノベーション」
この書のタイトルは、私がつけた。

2010年6月18日には、
月刊『2020 Value Creator』
創刊25周年&300号記念パーティ開催。
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岡田卓也さん、清水信次さん、
鈴木敏文さん、廣田正さん、
川野幸夫さん、平富郎さん、
そして荒井伸也さんなど、
そうそうたる人々がスピーチした。

当時、㈱菱食相談役だった廣田さんは、
儒学者の佐藤一斎を引用して、
実に印象的な言葉を、
緒方さんに贈った。
dscn0531-1.jpg
「少にして学べば、
すなわち壮にして為すあり。

壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。

老にして学べば、
すなわち死して朽ちず」

緒方さんも、死して朽ちず。
心からご冥福を祈りたい。

さて「AJS Network」6月号が届いた。
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毎月連載を書き連ねて第90回。
「スーパーマーケット応援団長の辛口時評」。
今回は「勝ったチームは強くなる」

ご愛読、感謝。

この機関誌の巻頭には、
会長の荒井伸也さんが連載を書いている。
「スーパーマーケット・ビジネス考」
こちらも第165回の大長編。

巻頭言だけれど、
一定のテーマごとに連載になっている。
今回は「《現場》を求めて その3」

面白い表現がある。
「通常、店舗巡回では、
私は主通路沿いに店内を回る。
買物客よりかなり速足で歩く」

「何度も何度も店を見て
慣れた結果であろう、
かなりのスピードで通路を回っていても、
何か、いつもと違うことがあると、
目に飛び込んでくる」

どんなことか。

「変なパッケージがある!
見慣れない商品がある!
POPの文字数が、
読む気を失わせるほど多い!
・・・・・・・などなど」

こうした《現場》が、
会社中の人に見えてくる。

それがすなわち、
「スーパーマーケットとしての我が社が
《よくなる》ということであった」

トップ一人が見えていてもダメ。
コンサルタントが一人、
見えていると言ってもダメ。

会社中の全店長、
そして全バイヤー、全チーフに、
見えてこなければいけない。

店長が《現場を見る目》を身に付ける方法。
荒井さんは「極めて簡単」と言い切る。

「店舗のすべてを、
店長が一つひとつ、
実際に見る。
まさに、文字通り、
店舗のすべてを一つひとつ、
実際に見る」

今回、アメリカで手に入れた本が、
「Conscious Capitalism」と、
「Uncontainable」。
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前者はホールフーズCEOジョン・マッケイ、
後者はコンテナストアCEOキップ・ティンデル。

二人は親しい間柄で、ともに、
「コンシャス・リテイリング」を、
実現させている。
意識の高い小売業。

マッケイは、意識の高い企業風土を、
ことさらに重視する。

全店長、全バイヤー、全チーフに、
《現場》が見えてくることと同じ考え方だ。

一方、ティンデルの経営には、
「7つの基本原理」がある。

その第1原理が、
「1 Great Person=3 Good People」。
1人の偉大な人物は、
3人の良い人々に等しい。

ティンデルは「1=3」の理論が、
いたく気に入っているようで、
続けて、言い切る。

「1人の良い人は、
3人の平均的な人に等しい。
1人の平均的な人は、
3人の怠け者に等しい。
だから1人の偉大な人は、
27人の怠け者に等しい」

そんなGreat Personと、
一緒に仕事しよう。
そうすればあなたも、
Great Personになれる。

ハイ・コンシャスな組織をつくり上げる。
そのために、Great Personは必須。
ティンデルはそう考える。

そしていつも、Great Personは、
《現場》を見ている。

ティンデルの「7つの基本原理」のうち、
第6原理は「直感」。

「直感は、
心構えがなければ起こらない。

直感がやってくるように
鍛錬しなければならない」

だからコンテナストアでは、
直感を養うためのトレーニングが、
全従業員を対象に、
「確固たる研修プログラム」として、
実施される。

1年目の従業員には、300時間の研修。

その後も、キャリアを通して、
追加の研修が続けられる。

ティンデルは、確信している。
直感を可能にするには、
間違いなく知識と経験が必須であり、
その直感が役立つようにするためには、
自分で磨き続けねばならない。

「少にして学べば、
すなわち壮にして為すあり。

壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。

老にして学べば、
すなわち死して朽ちず」

緒方さんのご冥福、
心より祈りたい。

合掌。

〈結城義晴〉

結城義晴の「上司」徒然と『私の履歴書』川村隆さんの「ラストマン」

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緒方知行さんの訃報を書いていて、
自分の歴代上司のことを思い出した。

1977年、社会人最初の上司が、
㈱商業界『販売革新』編集長の緒方知行さん。

次が、やはり同誌編集長の高橋栄松さん。

それから三人目は、
『食品商業』編集長だった今西武さん。
私は『販革』から『食品』に異動したのだった。

四人目も同誌編集長の小島稔さん。

それから1989年、
私が『食品商業』編集長に昇格したので、
五人目は取締役編集局長だった丸木伊三さん。

私はそのまま1996年に、
編集担当取締役に昇格し、
その時点で上司は、
社長となっていた丸木さん。

その後、社長は高岡真佐雄さんに代わって、
六人目の上司は高岡さん。

それから2003年に私は、
㈱商業界代表取締役社長に就任して、
上司はいなくなった。

ただし、商業界には、
倉本初夫主幹の存在があって、
社長の私の上司のようなものだったが、
私は尊敬こそすれ、
倉本さんを上司とは考えなかった。

その後、2007年に、
任期満了で退任し、
半年ほど無印になった。

もちろん上司はいなくて、
全くの自由。

そして2008年2月1日に、
㈱商人舎を設立して、
代表取締役社長に就任。
結城挨拶

だから、今回もボスはいない。

私の生涯には、
6人の上司がいた。

これからの人生でも多分、
私にとってボスとなる存在は、
登場しないだろう。

都合、6人。

少ないだろうか。

でも、㈱ドゥ・ハウス社長の稲垣佳伸さんは、
多分、生涯でたった一人、
小野貴邦さんだけが上司だったと思う。

今西さんと緒方さん、
そして小野さんも、
故人となってしまった。

今西さん、緒方さん、小野さん。
いずれも凄い人だったが、
伊藤雅俊さん、岡田卓也さん、清水信次さん、
そして鈴木敏文さんのような、
化け物級ではなかった。

しかし、恐ろしく、凄い人たちだった。

ご冥福を祈るとともに、
私の上司だったみなさんに、
心から感謝したい。

さて5月が終わろうとしている。
日経新聞最終面の『私の履歴書』

先月の似鳥昭雄さんが、
あまりに強烈だったので、
今月の川村隆さんは、
霞んでしまうかとも心配したが、
杞憂に終わった。

日立製作所の社長・会長を務めた川村さん、
キーワードは「ラストマン」。

この言葉を教えてくれたのは、
川村さんの課長時代の上司、
日立工場長だった綿森力さん。

後に日立の副社長になる。

「ラストマン」とは、
「船の船長のようなもの」。
「嵐が来て万策尽きて
船の沈没やむなしとなった時、
すべての乗客や船員が
下船したのを見届けて、
最後に船から離れる」

だから船長は「ザ・ラストマン」と呼ばれる。

「ザ・ラストマン」の覚悟で仕事をする。

2009年3月、川村さんは、
子会社の日立マクセルの会長だった。

当時、69歳。

突然、日立の指名委員会が、
川村さんを次期社長に指名した。

川村さんは、大いに迷った。

友人に相談する。
「やめた方がいい」という声が圧倒的。

しかし川村さんの胸の内には、
「ラストマン」の言葉があった。

1999年7月23日、川村さんは、
羽田発新千歳行きの全日空61便に乗った。

離陸して房総半島上空に差し掛かったころ、
機体は突如Uターン。

「当機はハイジャックされました」と機内放送。

「女性や子供の悲鳴が上がった」

犯人は精神的に不安定な若者だったが、
絶体絶命の危機を救ってくれたのは、
「偶然その便に乗り合わせた、
非番の全日空パイロットの山内純二さん」

「犯人は機長を刺殺し、
自分の操縦で横田基地への着陸を試みるが、
とてもそんな技量はなく、うまくいかない」

「『このままでは墜落する』と判断した山内さんは
ドアを蹴破ってコックピットに突入し、
操縦かんを奪い返した」

この山内パイロットの行動は、
実は航空会社マニュアルに反するものだった。

「しかし、マニュアルに沿って、
この犯人の言うとおりにして、
機体が墜落してはどうしようもない。
緊急事態には自分の頭で考え、
自分の責任で行動しないといけない」

この事件は、
川村さんの人生観をガラリと変える。
「人はいつ死ぬか分からないのだから、
毎日を大切に生きなければと
自覚するようになった」

もう一つ、この事件から、
川村さんは「ラストマン」の意識を、
改めて強く持つようになった。

ラストマンは「最終責任者」。

1997年のハイジャック事件。
2009年の社長指名。

自宅近くの雑木林を散歩している時、
天啓のごとく「ラストマン」の言葉が、
川村さんに降りてきた。

山内パイロットが、
「全日空機でラストマンの役割を果たしたように、
自分も日立でその役回りを引き受けよう――」

昨日の連載の会長退任時にも、
川村さんは考える。

日立では経営者予備軍を、
日立グループ内の他社に派遣して
鍛える仕組みを導入している。

「タフ・アサインメント」と称する。

川村さんは、つくづくと述懐する。
「小さい企業であっても、そこで、
『自分がラストマンだ』という気持ちで
自ら鍛錬することが重要だ」

私自身のことを振り返ると、
ボスは6人しかいなかった。

最後の上司の高岡社長の部下として、
今から思うと、私は確かに、
「ラストマン」の考え方を強く意識していた。

それはいまも 、変わっていない。

もちろん化け物級には、
とてもかなわないけれど、
恐ろしく、凄い人たちには、
感謝しつつも、負けてはならじと、
「ラストマン」を貫きたいと思う。

このブログ読者のみなさんには、
「タフ・アサインメント」を、
お薦めしたい。

子会社社長、部長、店長、部門長、
みんな船長であり、機長だ。

小さい企業、小さい店であっても、
『自分がラストマンだ』という気持ちで
自ら鍛錬することが重要だ。

〈結城義晴〉

ジジとウェディング・パーティ[日曜版2015vol22]

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ジジです。
IMG_5768

夏です。

けれど、ベランダに、
カーネーション。IMG_5771

母の日のお花が、
まだ、咲いてます。IMG_5769

きょうは、おとうさん、
朝から、正装して、
でかけました。

だからボクは、
ひとりでさがしもの。
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それから、おふろ。
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お湯をぬくのは、
わかるんです。
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でも、いれるのは、
むつかしい。
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かえってきたら、
やってもらおう。

おとうさんがいったのは、
白金台の八芳園。
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Rikkyoゼミ生のウェディング・パーティ。
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結城ゼミ1期生のカキヌマさん。
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おめでとう。
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記念写真。
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将人さんと由希絵さん。
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しあわせそう。
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テーブルには、
ホスピタリティ。
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Rikkyoのなかまが、
お祝いにかけつけた。
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おめでとう。
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ふたりで、ピアノとフルート。
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ウェディングドレス。
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新郎が太鼓。
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プロフェッショナル。
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そしてお礼。
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おとうさんは、
かえってくると、
いいました。
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「とってもいい披露宴だった。
カキヌマくんは、
いい奥さんをもらった」

おめでとう。
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しあわせになってください。

さあ、おふろ、
はいろう。
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おつかれさま。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

6月「スーパークールビズ」とユニークな決算月企業の競争力

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Everybody! Good Monday!
[2015vol22]

2015年第23週に突入、
そして6月の始まり。

欧米で「ジューン・ブライド」というけれど、
まさに5月から6月にかけてのこの時期は、
1年で一番素晴らしい。

「6月の花嫁」は、
一番いい季節の花嫁のこと。

ただし日本列島の6月はすぐに、
梅雨に入ってしまう。
その直前の1週間ほど、
だからこそなおさら貴重だ。
心して楽しみたい。
心して顧客を楽しませたい。

雲低くとどまる日なり麦の秋
〈日経俳壇より 藤枝市・ 山村昌宏〉

「麦の秋」、あるいは「麦秋(ばくしゅう)」。
麦の穂が実り、収穫期を迎えた初夏の季節。
麦の収穫の秋であることから、
こう名付けられた。

雨が少なく、乾燥した季節。
すぐに梅雨が始まる。
二毛作の農家にとって、麦秋は短い。

日本中青嶺となりし空を行く
〈朝日俳壇 気仙沼市・前川忠〉

いいですね。

今日から中央官庁は、
「スーパークールビズ」。
5月は「クールビズ」で、
6月から「スーパー」のつく「クールビズ」。
もう5年目を迎えた。

大事なことは9月末まで続けられる点。

イオンでもスーパークールビスを採用している。

「スーパー」と名のつく新しい慣習。
先取りするくらいに取り入れたい。

トレーダー・ジョーは、
年中、スーパークールビスで、
アロハシャツ。

スーパーでも、ポロシャツが無難。
沖縄のかりゆしなども、小粋。

この時期の軽装は、
おしゃれです。

積乱雲中世のごと村圧す
〈朝日俳壇 松戸市・大谷昌弘〉

さらに北陸や東北では、以下の感じ。
若葉もくもくと山々深々と
〈朝日俳壇 白山市・辰巳葉流〉

俳句はずっと、
日経より朝日がいい。

さて今日は、千葉県の海浜幕張。
イオンを訪問。
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海浜幕張の駅を出たところで、
数人の人々に目礼された。

ここに来ると、いつもそんな感じで、
誰かに会う。

しかし今日の目的は女性陣。
イオン㈱田中咲(えみ)さん(中)と、
イオンリテール㈱松野寛子さん(左)。
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田中さんはダイバーシティ推進室室長、
松野さんは人事部ダイバーシティ推進担当。

じっくりと2時間以上も話を聞いて、
私も意見を述べた。

考えさせられることが、ひどく多くて、
ちょっと閃きかけたことがある。

お二人に感謝。

その閃きは、
月刊『商人舎』6月号で、
披露できる・・・・だろう。

さて今週から、
2月期決算企業は第2四半期。
3月期決算企業は、
第1四半期の詰めの月。

あるいはホップ・ステップ・ジャンプで言えば、
2月期決算企業はホップ、
3月期の企業はジャンプ。

Weekly商人舎の日替わり連載、
月曜朝一・2週間販促企画は、
そんなことを提案している。

ゴルフでも、
1日を漠然とラウンドするのではなく、
3ホールずつ区切って、
ホップ・ステップ・ジャンプでアウトの9ホール、
ホップ・ステップ・ジャンプでインの9ホール。
それを繰り返すと、18ホールになる。

この考え方でプレーすると、
マインドコントロールが可能となるし、
いわゆるコースマネジメントにも、
余裕が生まれる。

ところで、この競争相手との違いを、
各社は意識して営業活動しているんだろうか。

例えばイオンやセブン&アイ、
ほとんどの企業は2月決算。

いまホップ段階に入った。

ヤオコーやオーケー、
スーパーマーケット企業のほとんどは、
3月決算。
いまジャンプ段階。

両者の店頭での競合は、
ホップ段階vsジャンプ段階。

どちらが有利か、
どちらが必死か。

そういえば、
ユニークで業績のいい会社は、
決算月も他社と異なる。

ツルハホールディングスは5月。
ドン・キホーテが6月、
アルペンも6月。
ファーストリテイリングは8月、
ビックカメラも8月。

アマゾン・ジャパンは12月。
ウォルマートは1月だけれど、
西友は12月。

今度、決算月のユニークさと、
競争力の関係を研究してみよう。

決算セールを当てにしている消費者も、
ずいぶん大量にいることだし。

さてさて今週の結城義晴のスケジュール。
今日はイオンを訪問。

明日は月刊『商人舎』責了の日。

そして明後日の水曜日から、
ヨーロッパへ。

フランクフルトに降り立ってから、
ロンドンへ。

その後、バルセロナ。

帰国は来週の水曜日。

一番いい季節の終わりを楽しむことなく、
帰国したら多分、梅雨入りしている。

毎年毎年、そんな生活。

それでもヨーロッパの香りを、
みなさんに届けたい。

というところで、
今週も、よろしく。
Good Monday!

〈結城義晴〉

6月の「商人舎標語」とセブン-イレブン井阪隆一の「飛耳長目」

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6月に入って、2日目。

いい季節だと言ったとたん、
南から雨雲の一団が、
日本列島に押し寄せた。

九州南部と九州北部は、
今日、梅雨入り。

明日も雨や雷雨。

西日本、近畿、東海北陸も、
関東、東北、北海道も、
明日は雨模様。

湿度が高く、蒸し暑い日が訪れる。

その明日に、私は、
フランクフルトに向かって飛び立つ。

今日はスーパークールビズで、
月刊『商人舎』6月号の責了作業。
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そして6月の商人舎標語。
ダイバーシティ産業の強みを活かそう!

「男並み女を使え!」
故渥美俊一先生の言葉。
「なるほど・・・・・」
全員、目からウロコだった。

しかし結果としてこれは、
男社会を助長させた。
女性を排除した。
多様性を無視した。

時代はダイバーシティ。
いや、時代ではない。
小売業こそ、ダイバーシティ。
サービス業こそ、ダイバーシティ。

もともとダイバーシティ産業だからこそ、
かつてチェーンストアは標準化を強調した。
ダイバーシティ産業だからこそ、
最初はマニュアルが必須だった。

しかしそれは、
レース型競争下のセオリーだった。
コンテスト型競争下では、
ダイバーシティ産業の強みを活かせばいい。

象徴的な目標は、
女性が働きたい店をつくることだ。
女性が働きやすい会社に変えることだ。
女性が活躍する産業を構築することだ。

女性が働きやすい職場は、
誰もが働きやすい。
女性が活躍しやすい組織は、
誰にもそれぞれの活躍の場が約束されている。

女性がドキドキワクワク働く店は、
顧客がドキドキワクワクする。
女性がニコニコ働く店は、
顧客もニコニコする。

こんな店、こんな会社、
そしてこんな産業は、
人間の尊厳に対して、
真摯に向き合うことになる。
〈結城義晴〉

日本一働きたい会社は、
まず女性が、
日本一働きたい、
と思ってくれなくてはいけない。

その意味で、
裏も表もない会社、
言行一致の会社になる必要がある。

さて昨日から、
東京証券取引所が、
上場企業に対して、
「企業統治指針」の適用をスタートさせた。
いわゆる「コーポレートガバナンス・コード」。

その課題は、
社外取締役の選任。
社外取締役というからには、
経営からの独立性がなければいけない。

主要100社の調査では、
9割近くの上場企業が、
複数を選任している。

東証の指導が行き渡った結果だが、
昨年度より2割近くの増加。
社外取締役に占める女性の比率も、
100社中50人で、17%。
昨年が14%だったから、
3ポイントの増加。

私自身、ご指名をいただいて、
社外取締役を務めているが、
私なりのあり方を決めている。

第1に第三者の立場から客観的に、
経営をチェックすること。
そして直言すること。
これは社外取締役として、
当然の役目。

確かな経営者ならば、
励ますことのほうが多くなる。

第2にその際に、
会社独自のポジショニングが、
何よりも重要であること。
従ってそのポジショニングの観点から、
観察し、考察し、監督し、
意見を述べ、提案をすること。
もちろん私の知見は存分に提供する。

この6月から、
新しい時代に入ったことは確かだ。

さて最後に、
日経新聞の『キャリアアップ』に、
井阪隆一さん、登場。
セブン-イレブン・ジャパン社長。
「話すことよりエネルギーがいりますが、
根気よく話を聞くことが
何よりも大事です」

井阪さんの社長室のドアは、
常に開けられている。

「部下からの話を聞かずに
こちらが一方的に話していたら、
誰も情報を伝えてくれなくなる。
情報が入ってこなくなったら
『裸の王様』になってしまう」

「誰でも、いつでも、
話をしやすいように
していないといけません。
それが私の一番の仕事
といっても過言ではない」

その井阪さんの座右の銘。
「飛耳長目」
「ひじちょうもく」と読む。

「遠くのことを聞くことができる耳と、
遠くまでよく見える目を持っている、
つまり、物事の変化に鋭敏で、
情報の収集力にたけていること」

吉田松陰が松下村塾の塾生たちに説いた。
だから松陰自身、ペリーの船に乗り込み、
渡米を懇願する。

弟子たちも後に、イギリスに渡って、
世界最新の情報を得た。
木戸孝充、井上馨、伊藤博文など、
長州五傑と呼ばれた若者たち。

「飛耳長目」は、
石ノ森章太郎『サイボーグ009』で言えば、
003のフランソワーズ・アルヌール。

9人のサイボーグ戦士の、
9つの特徴の一つが、
「飛耳長目」
面白い。

井阪さんに話を戻すと、
「現場にいた時はそこまで
意識していませんでした」

「聞くことを実践するようになったのは
役員になってから」

ミドルマネジメントよりも、
トップマネジメントこそ、
話を聞かねばならない。

「直接会って顔を見て話せば、
相手の反応が見えます」

私はインタビューを、
本業の一つにしているが、
それはまさに、直接会って、
顔を見て、話を聞くこと。

ピーター・ドラッカー先生の、
「ポストモダンの七つの作法」
その第1がやはり、
「自分の目で見、耳で聞く」

井阪隆一、
吉田松陰、
そしてフランソワーズ・アルヌール。
もちろんピーター・ドラッカーも。

社内取締役も、
社外取締役も、
「飛耳長目」は必須である。

〈結城義晴〉

百貨店の今夏商戦「早仕掛け」撤回を笑いつつ、フランクフルトに発つ

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厚生労働省の毎月勤労統計調査。
4月の実質賃金指数は、
前年同月比でわずかだが0.1%上昇。
実質とは「物価上昇による目減り分を除いた数値」

これは2年ぶりの上昇。

マクロデータで、
ようやく賃金の伸びが、

物価の伸びを上回ってきた。

そうすると経済の好循環が生まれる。
所得増→支出増→消費増→
生産増→所得増→支出増→

この好循環。

勝った者はますます強くなる。
この好循環と同じ。

そして好循環のサイクルをつくれば、
もう、しめたもの。

4月の常用雇用者数も、
前年同月比で2%増。

総務省の家計調査では、
4月の勤労者世帯の実質消費支出額は、
前年同月比0.5%増。

一方、物価上昇も鈍化傾向を示す。
4月の全国消費者物価指数のうち、
生鮮食品を除く総合指数は、
前年同月比0.3%上昇。
昨年4月の消費増税要因を除くと、
ほぼ横バイ。

政府と日銀のインフレターゲット政策は、
ちょっと思い通りにはならないよいうだが、
賃金上昇と物価下落で、
実質的な購買力は高まる。

商売はやりやすい。
商売の追い風が吹き始めた。

しかし、そんな環境の中で、
ちょっと笑ってしまう話が、
日経新聞に書かれている。

百貨店がこぞって、
今夏のセール開始時期を遅らせる。

昨年、ほとんどの百貨店は、
6月末から夏の商戦をスタートさせた。

三越伊勢丹だけ、
7月中旬スタート。

しかし景況感の改善が追い風となって、
伊勢丹は「通常価格販売期間」を延ばして、
収益が上がった。

そこで他の百貨店も、
右へ倣え、となる。

高島屋は7月8日スタート。
昨年より2週間近く遅くする。

大丸松坂屋百貨店も、
7月8日に繰り下げ。

阪急うめだ本店も足並みをそろえる。

そごう・西武は7月1開始。

かつて百貨店の夏のセール開始は、
7月中旬が通り相場だった。

それが1990年代から前倒しされ始めた。
そして最近は7月1日前後の開始となった。

しかし三越伊勢丹だけが、
2012年から7月中旬に戻して、
収益改善に取り組んだ。

つまり異なるポジショニング戦略を展開したわけだ。
この際、同社が大手アパレルとの連携を図る。

その結果、昨年7月の各社の売上高。
高島屋が前年同月比4.3%減、
大丸松坂屋百貨店は2.6%減。

一方、三越伊勢丹は3週遅れで0.9%増。

この三越伊勢丹に今年は、
各社が追随する形となった。

マーケット・リーダーが伊勢丹。
他社はみんなフォロワー。

笑える話とは、
「前倒しをしても売り上げを伸ばせず、
商機をいかせなかったこと」

早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。

早仕掛けしても、
単に値引きセールするだけでは、
話にならない。

百貨店の早仕掛けならば、
知恵とアイデアを出して、
夏を存分にアピールすべきだ。

今年1月。
極寒のニューヨークでは、
ウォルマートが衣料品売場のトップに、
水着を早仕掛けした。

ドキっとする売場だった。

それがなければ、
早仕掛けも全く意味がない。

遅仕掛け、あるいは並び仕掛けで、
単にセールするだけならば、
またしても三越伊勢丹に、
してやられるだろう。

「今の消費者は価値を認めれば
値下げしなくても買う。
逆に価値を感じない物は
値下げしても買わない」
オンワード樫山の馬場昭典社長は辛口コメント。

全くの同感。

一方で、ユニクロの5月。
国内既存店売上高は前年同月比12.3%増。
増加は2カ月連続だが2桁の増加が目を引く。

ユニクロはスーパーマーケット並みに、
52週マーチャンダイジングを展開する。

だからユニクロが早仕掛けすれば、
他の追随を許さない。

百貨店の横並びを見て、
ユニクロは今夏、早仕掛けするに違いない。

総合スーパーも、
中身のある夏商戦の早仕掛け。

目一杯、百貨店から顧客を奪うことが出来る。

なにしろ、総合スーパーのGMSは、
もともとディスカウント・デパートメントストアなのだから。

さて私は朝一番で、
Yキャットからベイブリッジへ。
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雨のベイブリッジ。
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そして横浜港。
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みなとみらい。
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80分ほどで、
成田空港第1ターミナル南ウィング。DSCN2228-5

ルフトハンザでフランクフルトへ。DSCN2230-5

乗り込んで、02Kのシート。DSCN2231-5

これから向かうドイツでは、
ヘルムート・コール元首相が、
意識不明だとか。

85歳。

腸の手術後に、危篤状態に陥った。

西ドイツ時代を含む1982~98年に首相を務めた。

そして1990年10月、
歴史に残る東西ドイツ統一を実現させた。

私は1995年、ケルンで、
目の前で演説を聞いたことがある。

ド迫力の政治家だ。
もちろん信念も持っていた。

心配しつつ、
ルフトハンザに乗り込む。

では、行ってきます。
あとはよろしく。

〈結城義晴〉


フランクフルトからロンドンへ、テスコ・ケンジントン店は懐かしい!!

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近畿地方、中四国地方が、
梅雨入り。

その梅雨を避けるように、
ヨーロッパに向かった。

成田空港は雨模様。
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飛び上がると、
日本列島は雲に覆われている。
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真っ青な空、
真っ白な雲。

シベリア上空にはちぎれ雲。
地上では緑が美しい。
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ネバ川か、大河。
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そしてカスピ海に流れ込むヴォルガ川。
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ドイツまで3時間弱。
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見えてきたフランクフルト。
ドイツの表玄関。
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ドイツは森の国。
上空から臨むと、
それが実感される。
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ルフトハンザ機のトップのところ。
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そしてフランクフルト国際空港。
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ここで関空から発った、
万代ドライデイリー会の面々と合流。

そしてドーバー海峡を超えて、
グレイトブリテン島へ。
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テムズ川が見えてきた。
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大ロンドン。
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ニューヨークもすごい、
パリも美しい。
東京もいいけれど、
ロンドンには特別の魅力がある。
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ヒースロー空港について、
互いに挨拶。
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街に出ると、
赤いダブルデッカーのバスが走る。
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すぐにイングリッシュパブへ。
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ジョージ4。

7時すぎだというのに、
中庭は明るい。
現地のイギリス人が集って、
ビールやスコッチを楽しんでいる。
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私たちは一番奥のホールを借り切って、
歓迎ディナー。

挨拶は今津龍三さん、
㈱今津社長で万代ドライデイリー会会長。
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全9チーム、全員が、
自己紹介と自分なりの研修の目的を決意表明。
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今回はいつも以上に、
目的意識が高い。

帰り際には、
小さなステージで、
女性シンガーが弾き語り。
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あまり上手ではなかったが、
私はいい気分だった。

そして最後に、
テスコ・ケンジントンへ。
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約800坪のスーパーストア。
24時間営業の大繁盛店。

1996年9月にオープンして、
何度も何度もリニューアルを施した。
なぜならテスコの顔となる店だからだ。

入口の青果部門からデリにつながるが、
ここは素晴らしい。
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青果はクレート陳列。
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産地で収穫する際、
商品はクレートにそのまま、
積み込まれる。

あとは一切、手をつけず、
物流され、店頭に並べられる。

テスコが開発したこのシステムは、
抜群の生産性を上げ、
それはイギリス中、ヨーロッパ中に広がった。

入口左手には、
Scan as you Shopのコーナー。
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カード会員の顧客は、
入口でこのハンドスキャナーをとって、
店内を回遊し、購買のたびに、
商品のバーコードをスキャンする。

生鮮も秤にかけて、
スキャンする。
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リカーとワインは一番奥に位置づけられ、
特に強化された。
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その中でもシャンパンは、
最も力を入れられている。
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ケンジントンの高級住宅地の店だからだ。

クッキングウェアもコーナー化されている。
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道路側の一角には、
テスコ直営のファーマシー。
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1996年の10月に、私はパリにいた。
シアルドール日本代表審査委員として、
パリ国際見本市に参加していたからだ。

その際、イギリスの審査委員が、
この店のことを教えてくれた。
専門誌『ザ・グローサー』のジェフリー・ハント記者。

この店は当時、最先端のフォーマットだった。

私はフェアが終わるとすぐに、
ロンドンを訪れて取材し、
月刊『食品商業』で分析紹介した。
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今、20年ほど経過して、
その店を見ている。

随分多くの日本人が、
この店を視察に訪れた。

実に感慨深いものがある。

視察を終えて、
ホテルはノボテル・ロンドン。
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全員が疲れ切って、
ロビーに集合。
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私もテスコの店を歩きながら、
半分、居眠りをしていた。

部屋に入って、
湯に浸かり、
そのままベッドへ。

1万字の原稿も、
ヒースロー空港についた時に、
日本に送ったし、
明日から全開でロンドンを駆け巡る。

お楽しみに。

〈結城義晴〉

テスコ・セインズベリー・アズダ・アルディ、役者の少ない英国芝居

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ロンドンからフランクフルト経由、
バルセロナへ移動。

主要7カ国首脳会議が、
明日の夜からドイツ南部のエルマウで開幕。

そのためか、フランクフルト国際空港は、
厳重な警戒ぶり。

ロンドンからの便は出発が遅れ、
その上、乗り継ぎでちょっと手間取った。

しかし無事、バルセロナに到着。
気温28度。

サミットでは気候変動問題がひとつのテーマ。

2030年までに日本は、
温暖化ガスを2013年比で26%削減する。

その目標を国際的に説明すると同時に、
環太平洋経済連携協定の早期合意に、
大いに努力する意思を表明する。

ブログは時差時間主義で、
ロンドンのまとめ。

まず、最大の目的の一つ、
テスコ・エクストラ訪問。
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テスコのマルチフォーマット戦略の、
最大級店舗。
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入口右手にプロモーションのいちご。DSCN2527-5
しつこくしつこくいちごを売りまくる。

そして左手のシーゾナルゾーンでは、
バーベキューの提案。
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エクストラはハイパーマーケット業態。
だから店は横に長く、
T字型のコンコースをつくる。

そのTの主通路を左に折れると、
アパレルゾーン。
テスコのブランドF&Fのアイテムが並ぶ。DSCN2539-5

入口のコンコースを突き当たると、
クリック&コレクトのコーナー。DSCN2541-5

コンコース右手は住関連やヘルス&ビューティ。DSCN2545-5

そして店舗3分の2ほどを占める食品売り場。
先頭はもちろんテスコが誇る青果売り場。
花から入る。
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その後ろのバナナの売り場。
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葉物はこのド迫力。
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クレート陳列でも、
これだけのボリュームを出すことができる。

そして果実売り場。
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カットフルーツもアメリカに先駆けて展開DSCN2556-5

キュウリ。
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パプリカ。
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青果部門はテスコの生命線を握る。
それは世界中のスーパーマーケットに、
共通する重点課題だ。DSCN2574-5

奥の主通路沿いは、対面売り場。
そこにオリーブのコーナーがあった。DSCN2578-5

主通路対面には、
テスコのクォリティブランド
ファイネスト」のコーナー。DSCN2583-5

そしてファーマシーも必須。DSCN2564-5

店舗左翼の突き当たりは、
飲料のディスカウント。
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そしてアルディ旋風吹き荒れるロンドンだけに、
コンペティティブブランドを強化。-5DSCN2594

エブリデー・バリュー。
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最下段がエブリデーバリュー。
その上がテスコ・レギュラーブランド。
最上段がナショナルブランド。DSCN2596-5
この並びで、顧客の視線を釘付けにする。

そしてテスコはレジで、
3人目まで待たせない。
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アメリカのクローガーと共闘して、
ウォルマート・アズダを迎え撃ち。
その作戦がレジ対策。
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実にいい店だった。
テスコの不調を感じさせられることは、
まったくなかった。

ついでにテスコ・エクスプレス。DSCN2867-5

入口右手から、
コンコースが左回りになっている。
その青果部門。
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この充実。DSCN2853-5

クレート陳列。
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テスコエクスプレスは、
日本で言うコンビニエンスストアではない。

エクスプレスストアなのだ。

テスコファイネストのピザ。DSCN2837-5
この店では冷蔵ケースの最上段を、
ファイネストが占めてグレード感を演出している。

レジもずらりと設置され、
顧客が並ぶとベルを鳴らして、
レジを開放する。
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テスコ・エクストラと、
テスコ・エクスプレス。

最大店舗と最小店舗。
この間にテスコ・スーパーストアと、
テスコ・メトロがある。

そしてダークストアとクリック&コレクト
これによって30%の高占拠率を確保する。

それがテスコのマルチフォーマット戦略だ。

続いて対抗馬のセインズベリー。DSCN2602-5

かつてはサバセンターと呼ぶ店を持っていた。
それが非食品強化型フォーマットだった。

いまはセインズベリー。DSCN2685-5
ハイパーマーケット業態だ。

テスコエクストラ同様に、
入口左手にシーゾナルコーナー。DSCN2684-5
しかしここが弱い。

T字型コンコースを左手に曲がると、
青果部門。
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クレート陳列で、
トマトを充実させている。DSCN2640-5

葉物の陳列線も長い。
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しかしテスコには、全然かなわない。

テスコのファイネストに位置づけられるのが、
クォリティブランドの
「テースト・ザ・ディフェレンス」DSCN2658-5

奥の主通路は対面コーナーが続く。DSCN2621-5

鮮魚、精肉担当は、
小洒落れたハットをかぶっている。DSCN2667-5

ここにサラダバー。
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しかしホールフーズやウェグマンズに比べると、
全然魅力がない。

チーズはカゴにプレゼンテーション。DSCN2670-5

店舗左手が冷凍食品のリーチインケース。DSCN2629-5

真ん中主通路沿いのエンド。DSCN2623-5

そのど真ん中が、
レギュラーのセインズベリーブランド。DSCN2625-5

左にオレンジ色のコンペティティブブランド。
セインズベリー・ベーシックスDSCN2624-5

そして上段にデルモンテ。
ナショナルブランド。
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これが定石。

店舗左サイドは、
ディスカウントを強調。
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ワインは充実。
伝統のセインズベリーらしさを見せてくれる。DSCN2632-5

レジは待たせる。
繁盛店は繁盛する分だけ、
待たせる。
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これは小売業の大いなる自己矛盾。
それがセインズベリーでは、
解決されていない。

そしてアズダ。
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ウォルマートが買収した、
ディスカウントスーパーマーケット。DSCN2831-5
セインズベリーと二番手争い。

中央入口を入ると、
コカコーラのボリューム陳列。ぬ

青果部門は充実。DSCN2772-5

一番下に「プライス・ロック」のPOP。DSCN2773-5
つまり「価格に鍵をつけた」。
これぞエブリデーロープライスの本質。
いいネーミングだ。

アメリカのウォルマートでも、
この言葉、使うんじゃないか。

真ん中主通路でもプライス・ロック。DSCN2778-5

そしてロールバック。
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奥主通路もディスカウント一色。DSCN2794-5

天井から「ラマダン」のお知らせ。DSCN2795-5

そして肉はハラル・コーナー。DSCN2792-5
このあたり、イスラム教徒が多く住む。
そしてアズダは彼らから頼りにされている。

鮮魚も氷を敷いて、鮮度感を演出。DSCN2789-5

冷凍食品はリーチインケースだが、
顧客がよく買ってくれる。DSCN2800-5
安いからだ。

そして真ん中の肉売り場。DSCN2812-5ボこのボリュームとプライス。

店舗左手はアパレル売り場。
ジョージ・ブランド。DSCN2779-5
アズダの独自ブランドで、
アメリカのウォルマートでも採用している。

そしてファザーズデー。
DSCN2783-5

父の日セール。
DSCN2784-5
積極的にアピールしているのは、
アズダだけだった。
ウォルマートのいいところが、
ここに出ている。

そしてレジは待たせない。DSCN2827-5

セルフレジを多用して、
顧客にストレスを感じさせない。DSCN2821-5

そのレジの前に、
即食コーナー。
DSCN2819-5
よくできたディスカウントスーパーマーケットだ。

4番目はアルディ。DSCN2724-5

イギリスで猛威を振るっている。DSCN2726-5

もしかしたらアルディが、
英国の勝利者なのかもしれない。DSCN2728-5

我々が入ると、この混み様。DSCN2688-5

しかし英国アルディは青果が強い。DSCN2695-5

この充実ぶり。
DSCN2693-5

ベーカリーも、
即日配送商品。
DSCN2722-5

そして品揃えが豊富。
DSCN2690-5

だから客数も多くて、
アメリカのトレーダー・ジョーのようなレジ。
DSCN2723-5
大繁盛のハードディスカウンター。

テスコが手を焼くわけだ。

ちょっと一休みして、
テムズ川を臨む。DSCN2762-5

汚い茶色の水。
しかし河畔は気持ちいい。DSCN2763-5

そしてテスコの新フォーマット。DSCN2738-5

実験中の店を、
みんなで見学。
DSCN2739-5

3軒隣にはプレタ・マンジェ。
DSCN2748-5

右隣にはイート。
DSCN2752-5

そしてわさび。
DSCN2734-5
激戦区で、新しいフォーマット実験。
これもデーブ・ルイスCEOの意欲。

商人舎マガジンで、
報告しよう。

最後はディナー。DSCN2870-5
カフェ・ルージュ。

2階のベランダが気持ちいい。DSCN2872-5

そばの教会が見える。
DSCN2874-5

イギリスの食事はまずいと評判。
しかし私はそうでもなくなっていると思う。
ロンドンに来て食べてみてください。

中華料理はうまい、
イタリア料理も昔からいい。
そして最近はフランス料理が上出来。
DSCN2876-5
明るいうちから、
ワインを楽しんで、
しかもイギリスのフランス料理も堪能した。

途中で、誕生祝い。
竹内俊彦さん、おめでとう。
プリマハム㈱執行役員西日本支社長。DSCN2882-5
プレゼンターは、飯田万理江さん。
伊藤忠商事㈱食料カンパニー。

全員で拍手。
DSCN2881-5
イギリスの小売業。
顔ぶれはシンプル。
つまり役者が少ない芝居のようなもの。

しかしその役者は、みんな、
達者な演技をする。

ちょっとまずい芝居をするものは、
すぐに舞台を下ろされてしまう。

それがイギリスの競争だ。

私たちは日本の将来図を、
しっかり勉強して、
バルセロナに移動して来た。
(つづきます)

〈結城義晴〉

ジジとメッシ[日曜版2014vol23]

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ジジです。
DSCN2198-5

おとうさんは、ヨーロッパ。

ブリティッシュ・ミュージアム。IMG_6026-5

元気にフォト。
IMG_6027-5

チームM。
IMG_6029-5

それから、なかへ。
DSCN2199-5

グレート・コート。
IMG_6033-5

ロゼッタ・ストーン。
IMG_6035-5

いつも大人気。
IMG_6040-5

そしてこのなかへ。
IMG_6041-5

ライオンがり。
IMG_6046ー5

うたれた。
IMG_6042-5

これも。
IMG_6043-5

こちらも。
IMG_6044-5

かわいそう。
IMG_6045-5

アテネ・パルテノン神殿。  IMG_6049ー6

その彫刻。
IMG_6050-5

イギリス人が、
ギリシャからもってきた。
IMG_6051-5

モアイ像。
IMG_6053-5

なんど、きても、
感動します。
DSCN2203-5

それからテムズ川からドーバー海峡へ。
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いちど、フランクフルト・エアポート。
DSCN2914-5

タラップをおりる。
DSCN2915-5

そしてまたのりこんで、
地中海。
DSCN2924-5

バルセロナの街。
DSCN2927-5

あたたかくて、
ここちよい。
DSCN2206-5

ムンジュイックの丘から、
バルセロナと地中海をみおろす。
DSCN3057-5

サグラダ・ファミリアがみえる。
DSCN3058-5

そこへ。
DSCN2211-5

ガウディの世界遺産。
DSCN3112-5

エントランス。
DSCN3122-5

まだまだ、完成しません。
DSCN3156-5

それでも、すばらしい。
DSCN3157-5

うつくしいステンドグラス。
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グエル公園。
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ここもガウディ作。

笑顔。
DSCN3106-5

バルセロナは、いいところですね。     DSCN2208-5

ヨーロッパで一番になった。
DSCN2209-5
サッカーで。

だからスタジアムへ。
DSCN3045-5

ミュージアム&ツアー。
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チケットをいれる。
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ひげのおじさんが、スマイル。
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カウンターのおねえさんも、
スマイル。
DSCN2990-5

大きなフォト。
DSCN2991-5

ミュージアムへ。
DSCN2995-5

バルセロナのチーム。
DSCN2996-5

ミュージアム。
DSCN2997ー5

クライフがいた。
DSCN3024-5

マラドーナもいた。
DSCN3025-5

ロナウジーニョもいた。
DSCN3026-5

ネイマールもいる。

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もちろんメッシもいる。
DSCN3027-5

そのメッシのユニフォーム。
DSCN3002-5

こちらもメッシのユニフォーム
DSCN3037-5

メッシのシューズ。
DSCN3038-5

すごいミュージアムですね。
DSCN2212-5

そして明るいほうへ。
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9万人の客席。
DSCN3011-5

フィールドはちかい。

DSCN3012

満足の笑顔。

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ヨーロッパ・チャンピオンのトロフィー。
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21世紀にはいって、
4回トロフィーをとった。
DSCN3007-5
そしてきのう、5つ目の優勝。

おめでとう。
-5
おとうさんも、そんなときに、
バルセロナにいて、
とてもうれしかった。

よかったですね。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

スペイン「超級市場」メルカドーナは国民のインフラストラクチャーだ!

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Everybody! Good Monday!
[2015vol23]
と元気よく、週を始めたいところだが、
バルセロナの暑さと行程に、
ちょっと疲れ気味。

有森裕子と森下広一が、
このバルセロナのオリンピックで、
マラソンの銀メダルをとったのは、
1992年の8月だった。

あのモンジュイックの丘を駆け上り、
最後はデッドヒートを繰り広げた。

今週は、2015年第24週。
6月の第2週。

こんな時期にバテていては、
有森や森下に申し訳ない。

バルセロナといえば、
メルカドーナ。

そのバルセロナの顔ともいえる店。
闘牛場の店舗。
DSCN3048-5

闘牛場として建設されたが、
一度も闘牛をすることなく、
ショッピングセンターとなって蘇った。
2DSCN2929-5

地下1階にあるメルカドーナ。
3DSCN2978-5

その名のとおり、
スペイン国民の「超級の市場」になっている。

年商201億6100万ユーロ。
2兆8224億円。
1521店舗。
スペインでのマーケットシェア14.4%。
従業員数7万4000人。
その従業員が全て正社員。

何よりも青果部門がいい。
4DSCN2977-5

基本はテスコと同じクレート陳列。
5DSCN2971-5

しかも鮮度がよくて安い。
このロメインレタスは、
0.5ユーロ、70円。
6DSCN2950-5

カット野菜なども実に、
スペインの家庭仕様に仕上がっている。7DSCN2974-5

円形の闘牛場だけに、
店舗は湾曲している。
右手に向かうと、
精肉部門。
10DSCN2930-5

うまそうなソーセージが、
とぐろを巻いている。
11DSCN2932ー5

ひき肉も、
日本のスーパーマーケットのようだ。
それはすなわちレベルが高いということ。12DSCN2957-5

ウサギ肉を売っている。13DSCN2958-5

そして豚の足1本の生ハム売場。
14DSCN2936ー5

これが24ユーロ。
3360円。
15DSCN2935ー5

鮮魚売場は氷を敷き詰めて、
鮮度感を演出。
8DSCN2952-5

実際、バルセロナ一番の鮮度。
9DSCN2951-5

乳製品にはプライベートブランドが並ぶ。22DSCN2933ー5

冷凍食品は、
トレーダー・ジョーを彷彿とさせる。21DSCN2969-5
しかも安い。

ベーカリーは焼きたてを提供。
DSCN2955-5

グロサリーも、プライベートブランドが主力だ。16DSCN2937ー5

プレゼンテーションは、
前進立体陳列が徹底されている。  17DSCN2938ー5

インタープロバイダーと呼ぶベンダーが、
ダンボールカット陳列に協力して、
並べやすさと取りやすさが両立した売り場となっている。18DSCN2941ー5

実はこのポテトチップスには、
プライスカードが見当たらない。16DSCN2965-5
エブリデーロープライスを徹底して、
1年間売価を変えない。
だから顧客はこの商品の価格を知っていて、
クレームがない。

缶詰もこのように、
どんどん売れていって、
ダンボール面が残る。
それを取り去るのが仕事の一つ。19DSCN2968-5

このチョコレートは、
アルディ並みに安くて、
品質がいい。
20DSCN2970-5

 

 

ワインには1ユーロの商品がある。DSCN2944-5
トレーダー・ジョーの、
チャールズショーより安いし、
結構、飲める。

スパークリングワインのカバが、
なんと1.65ユーロ。
DSCN2946-5

そして平均1500㎡の店舗には、
必ず化粧品売場が併設されている。 DSCN2962-5
食品と化粧品、
距離感の近い商品なのだ。

スペインで最大の小売業は、
ZARAではない。

メルカドーナだ。

ZARAの売上げの8割は海外から得られるが、
メルカドーナは100%スペイン国内。

メルカドーナは、
スペイン国民のインフラストラクチャーなのだ。

ショッピングセンターの屋上から、
スペイン広場を見下ろしながら、
メルカドーナの重要な位置づけを思った。
1IMG_6061-5

メルカドーナとともにいる4日間。
それはスペイン人の幸せを共有することでもある。

では、今週も頑張ります。
Good Monday!

〈結城義晴〉

バルセロナ激突〈メルカドーナ・リドル・カルフールマーケット&・・・〉

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メッシのチーム。
FCバルセロナ。
ヨーロッパ・チャンピオンリーグで、
5度目の優勝。

バルセロナの街は、
沸き立っている。
20150606_171617-5

その地で、クールに、
店舗視察と研修。

朝から郊外に出かけて、
スーパーマーケットの激戦を学ぶ。

まず近代的なショッピングセンター。
DSCN3320-5

核店舗は、メルカドーナと、
C&AやZARA。
DSCN3324-5
その意味ではエンクローズドモールだが、
中型のコミュニテイセンター。

メルカドーナ。
DSCN3374-5

真ん中に青果部門。
DSCN3371ー5

右翼は特別の精肉部門。
DSCN3372-5
ちょうどウェグマンズが、
右サイドにフードサービス部門を、
特別に設けているような意味。
スペインでは、生ハムをはじめとした肉部門は、
サービスデリの役割を果たす。

青果部門の奥の壁面は、
シーフード売り場。
DSCN3351-5
氷の上に地中海のシーフードが並ぶ。

店の真ん中にはグロサリーや冷凍食品コーナー。
その冷凍ピザ。
DSCN3367-5
2枚重ねのこの商品は売れ筋。
安い。

これも売れ筋。
DSCN3368-5

酒売り場は、ワインもビールもウィスキーも、
安くて豊富。
DSCN3369-5

もちろん化粧品売り場も、
必ず用意されている。
DSCN3358ー5

この店はレジのサービス精神も旺盛。
DSCN3357-5
このショッピングセンターの効力もあり、
地域一番店の地位を確保している。

そのメルカドーナに隣接するように、
国内二番手のエロスキ。
バナーはカプラーボ。
DSCN3260-5

しかし、全くひどい売り場。
腐った魚の匂いが充満している。
DSCN3241-5

一番奥に精肉の対面売り場。
DSCN3243-5
顧客はラガードしかいない。
つまり偏狭な保守主義者。

その隣にカルフール・マーケット。
スーパーマーケット。
DSCN3179-5
これが意外に小洒落た店を作っている。

入口にはサンドイッチの対面、
その奥に寿司の対面コーナー。
DSCN3234-5

青果部門もアメリカ並み。
DSCN3182-5

壁面は精肉やデリの対面コーナー。
DSCN3187-5

天井はスケルトン。
最新型だ。
DSCN3198-5

冷凍食品は平ケースがずらりと並ぶ。
DSCN3208-5

ここに売れ筋が多数、投入されている。
DSCN3200-5

それがこのプライベートブランド。
DSCN3212-5

その前に鮮魚売り場。
DSCN3202-5

コカコーラの売り場は圧巻。
DSCN3224-5
カルフール・マーケットは、
フランスとアメリカの香りを漂わせて、
自分のポジションを確立しようと必死だ。

さらに隣接して、リドル。
DSCN3264-5
ドイツのシュワルツ・グループの小型店。
ハードディスカウンターで、
アルディと同じフォーマット。

入口のパン売り場は焼きたてを提供。
しかもスライスの機械が入っていて人気。
DSCN3267-5

青果部門、精肉部門も、
アメリカのアルディなどよりも、
断然、充実している。
DSCN3279-5

店舗中央のシーゾナル売り場には、
非定番のお買い得品が山積みされ、
顧客が群がっている。
DSCN3287-5

エブリデーロープライスを旗印に、
地域で一番低価格。
その上、プロモーションのディスカウント。DSCN3291-5

アルディがほぼ100%近く、
プライベートブランドを扱っているのに対して、
リドルはナショナルブランドを組み合わせる。
しかし、スペインにはアルディが進出していない。
だからリドルは独壇場。DSCN3297-5
ドイツ企業らしく、徹底して、
ローコスト・ロープライス。

ドイツ国内では、
アルディ、リドル、ネットー。
3社が同じ小型業態でしのぎを削る。
いずれも1000㎡。

国内で激しい競争を展開するから、
国外に出ても強い。

これはブンデスリーガにも通ずる。
サッカーでもまず国内。

スペインもサッカーは、
リーガ・エスパニョーラ。
FCバルセロナとレアルマドリードが、
激しく覇を競う。

だから国際的にも強い。

しかしスペインの小売業界には、
国内リーグを形成する前から、
フランス勢がやってきた。

つまりカルフールとオーシャン。

カルフールは1999年に、
フランスのプロモーデスを買収して、
ヨーロッパ第一の小売業に躍進したが、
そのプロモーデスが1976年に、
早くもスペインに進出していた。

オーシャンは1981年に、
アルカンポのバナーでスペイン侵攻。
ハイパーマーケット業態だった。

両者とも、もともと、
ハイパーマーケットの企業。

スーパーマーケットはこれから。

ウォルマートの主力業態は、
ハイパーマーケット。
そのバナーがスーパーセンター。
1988年から展開している。

ウォルマートのネイバーフッドマーケットは、
1998年から始められた。
こちらがスーパーマーケット。

カルフールも同じ。
やはり店舗規模の大きな店の方が、
売上げを稼ぐことができる。

だから国内が高度成長期にある場合など、
どこの国でもハイパーマーケットから始まる。

今、このバルセロナ郊外で展開される競争は、
スーパーマーケットの激突だ。

カルフール・マーケットは、
そのポジショニングを模索中。

アップグレードではない。
アップスケール。

その手法はアメリカ的フランス流。
それをポジショニングにしようとしている。

だから店名も、
Carrefour Market。
DSCN3180ー6

フランス流ならば、
Carrefour Marchéのはず。

このアメリカ的フランス流で、
スペイン人の心をつかもうとする。

リドルはドイツ的ロープライスを、
迷わず前面に出してディスカウント。
ポジショニングを築いている。

メルカドーナは、
これまた徹底して、
スペイン流のマーケットリーダー。
リミテッドアソートメントで、
スペイン人に必須の商品群を、
エブリデーロープライスで、
安く提供する。

リドルはもっとリミテッドアソートメント。
だからメルカドーナの品揃えが、
適正に見えてくる。

日本人が訪れると、
メルカドーナの品揃えでは、
足りないだろう、などと、
軽率に考えてしまうが、
メルかドーナが標準。

何しろ国内だけで、
年商201億6100万ユーロ。
2兆8224億円。
1521店舗。
マーケットシェア14.4%。

その結果、エロスキは、惨敗。
チャンピオンリーグに参戦する意思もない。
すなわちポジショニングなど、
全く意識していない。

メルカドーナをめぐる国際的な競争。
それがこのエリアで展開されている。

メルカドーナとFCバルセロナ。
見事にダブって見える。
(つづきます)

〈結城義晴〉

 

テスコ新CEOルイスのダークストア戦略とM&Sのポストモダン戦略

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ロンドンに着いて、2日目の朝。
テレビをつけたらBBCに、
この顔が映し出された。
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テスコのCEOデーブ・ルイス。
昨年10月にユニ・リーバから転籍。
正式名称はUnilever N.V./Unilever PLC。
N.V.はNaamloze Vennootschapの略、
PLCはPublic Limited Companyの頭文字。
前者はオランダ語の株式会社で、
後者は英語のそれ。

ユニ・リーバは2本社制を採用している。

日本の西友CEO上垣内猛さんも、
ユニリーバ・ジャパン社長からの転身だから、
多国籍企業のユニリーバは、
人材の宝庫ということになる。

とは言っても、近年、
ユニリーバ全体の経営状態は悪化し、
再建中。

だから人材が外に流れている。

テスコの業績も、この2年、
よろしくない。

今年2月期の決算は、
過去最大の最終損失57億6600万ポンド。
これは約1兆320億円の赤字。

売 上高は696億5400万ポンド、
これは前期比1.7%減。

ルイスは語っている。
「 当社の競争力がここ数年で色あせた。
それを反映した決算だ」

しかし昨年の秋、
不正会計の疑いが発覚。
2011年に中興の祖テリー・リーヒーが退任し、
その跡を継いだフィリップ・クラークは、
3年足らずで辞任した。

イギリスでは、ディスカウント旋風が吹き荒れる。
ドイツのハードディスカウンター・アルディ、
そして同じくドイツのリドルが絶好調。

テスコにはイノベーションがなくなっていた。

ルイスは財務再建を大胆に行うとともに、
1000品目の大幅値下げをし、
在庫を25%削減して、
さらに欠品を徹底的に減らす策に出た。

その結果、
顧客満足度は向上し、
シェアが回復しつつある。

ルイスはBBC放送では、
売り場でトマトを手に取って、
その生産から流通、販売までの、
テスコが実現させたイノベーションを、
真摯に語った。

好感が持てる。

その後、朝からセミナー。
DSCN2316-5

今回は、ゲスト講師を招いた。

ニック・マイルズさん。
IGDアジア・パシフィック地区マネジャー。DSCN2317-5

見た通りのナイスガイで、
通訳を交えて2時間近く、
丁寧にレポートしてくれた。DSCN2331-5

テーマは、
英国オンライン食品市場の動向と、
テスコのダークストア戦略。DSCN2329-5
月刊『商人舎』4月号は売り切れたが、
特集は「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
その中でセブン&アイのダークストアを紹介した。

オンラインビジネスのための、
プロセスセンターとディストリビューションを、
併せ持った機能だが、
ここにはテスコの工夫がある。

すごい内容で、これは、
ルイス新CEOの新戦略の一つ。

日本で再会することを誓って握手。DSCN2370-5
実に今興味深いレクチャーは、
月刊『商人舎』かmagazineで、
私の分析を含めて、紹介する。

その後、1時間ほど、
結城義晴のセミナー。DSCN2375-5

ニックさんのレクチャーの解説をして、
それからイギリスの競争の現状を語った。DSCN2379ー55

テスコ、アズダ、セインズベリー、
マークス&スペンサー、ウェイトローズなど、
有力企業の趨勢とアメリカ以上の寡占状態。
その中で我々は何を学ばなければいけないか。DSCN2381-5
アメリカも学ぶ。
イギリスも学ぶ。
ヨーロッパも学ぶ。

そうして、自分で考える。

デーブ・ルイスや上垣内猛が、
ユニリーバから転職して、
すぐに活躍できるのは、
そういった姿勢を持ち続けたからだ。

多くの事象を見て、聞いて、
自分の頭で考える。

ピーター・ドラッカー先生が言う、
「ポスト・モダンの七つの作法」。
その第一の作法が、
「自分の目で見て、耳で聞くこと」

さて、視察。

ホテルからロンドンの中心部を抜ける。
ウェストミンスター寺院。DSCN2385-5
王室の結婚式、葬式、
ほとんどここで行われる。

チャールズ皇太子とダイアナ妃は、
例外的にセントポール大正堂だったけれど。

ビッグベンの前の人ごみ。DSCN2388-5
ロンドンには観光客が、
溢れかえっている。

そしてテムズ川河畔の大観覧車ロンドン・アイ。DSCN2391-5

そして到着しました。
ウェストフィールドショッピングセンター。
DSCN2404-5
ロンドンオリンピック跡地にできた最新型。

まずは腹ごなし。DSCN2402ー5
Wagamama。

1992年、香港出身のアラン・ヤウが創業。
ロンドンを中心にアイルランド、オランダ、
トルコ、オーストラリア、
そしてアメリカに出店するチェーン。

メニューは「日本風料理」。DSCN2401-5
カジュアルな店内で、
麺や丼、カレーなどを提供する。

しかし日本人の手は入っていない。

このショッピングセンターは、
2つの核店舗を持つ。

一方が、百貨店のジョンルイス。 DSCN2405-5

高級百貨店だが、
大衆化路線を走っている。DSCN2406-5

その1階フロアには
高級スーパーのウェイトローズ。  DSCN2410-5
ジョンルイスの傘下にある企業。

H2Oにおける阪急オアシス、
三越伊勢丹におけるクイーンズ伊勢丹。

百貨店が43店、
スーパーマーケットが336店。
全体の売上高は109億ポンド、
ウェイトローズはその中で65億ポンド。

入口の花売り場。DSCN2426-5

そしてベーカリー。DSCN2411-5

キッチンサービスコーナーと惣菜。DSCN2412-5

その奥に生鮮食品売り場。DSCN2413-5

青果部門も奥にある。DSCN2414-5

クレート陳列。DSCN2415-5
私はこれには疑問を抱いている。
この方式はテスコが開発して、
テレビでルイスCEOが語るように、
目覚しい成果を上げた。

そしてみんな真似をした。

しかしウェイトローズは、
アメリカのホールフーズやウェグマンズのように、
美しい立体陳列をすべきだ。

そうしなければ、
ウェイトローズのポジショニング、
アウトスタンディングにならない。

精肉・シーフードの対面コーナー。DSCN2419-5

ワインは25%offを強調している。DSCN2422-5
つまりこの店、売れていない。

一方の核店はM&S。
マークス&スペンサー。DSCN2431-5
こちらが断然、いい。

マークス&スペンサーは、
ほぼプライベートブランド100%の、
ディスカウントデパートメントストア。

かつて一世を風靡して英国第一の小売業だった。

しかし、その後、低迷。
どんな企業にも成長と低迷がある。

今でも世界50カ国に出店しているが、
国内の建て直しが最大の課題。

そして建て直ってきた。

食品売り場は素晴らしい。DSCN2432-5

地下鉄出入り口の近くに、
店舗の導入口を設けて、
客数はジョンルイスを圧倒している。DSCN2433-5
入口の右手に長いレジがあり、
それの前の通路は、
斜めに切り込まれている。

ポストモダンな店づくりは、
新しいポジションを予感させる。DSCN2434-5

天井も床もアメリカ流。
それがイギリス人にとっては、
斬新なイメージを作り出す。DSCN2436-5

イギリス国内の売上げは、
食品が今や55%、衣料品・住関連が45%。DSCN2440-5

精肉・シーフード・デリは、
対面販売方式とセルフの併用。DSCN2445-5

コンビニエンスフードも、
全てプライベートブランド。DSCN2448-5

花売り場がポストモダンな店づくりに、
見事にフィットしていて、
その向こうはイートインコーナー。DSCN2449-5
アメリカではウェグマンズ、ホールフーズ、
これが当然のごとしだが、
イギリスではM&Sだけ。

ウェイトローズにもこの観点はないし、
テスコやセインズベリーにも薄い。
アズダにはそれがあるけれど。

昔から定評のある衣料品売り場。DSCN2461-5

既存のブランドを刷新して、
2013年からBest of Britishを開発。
ポストモダンの店づくりと相まって、好調。DSCN2465-5
イギリスでも、
イノベーションとポジショニング、

極めて重要な競争与件となっている。

そのあと、テスコ・メトロと、
セインズベリー・ローカルへ。DSCN2506-5
テスコもセインズベリーも、
マルチフォーマット戦略。
その都市型小型店。

いい勉強は続く。

夕食はチャイナタウンの中華。DSCN2518
大満足。

その中で一番は、カニのヌードル。DSCN2520-5
青島ビールと紹興酒で、
10時まで明るいロンドンの夜を、
存分に堪能した。
(つづきます)

〈結城義晴〉

追伸で日本のイベントを紹介。
3日、全国セルコグループトップ会、
2015年懇親会が開かれた。
DSCN9638-1

全国セルコチェーンの経営トップと、
卸・メーカーの幹部が参集。
DSCN9633-1

地域密着型のスーパーマーケットが終結し、
グッドカンパニーを目指す。
それがセルコグループ。
それを長年率いてきたのが、
エコス会長兼CEOの平富郎さん。
今年、理事職を離れ、相談役となった。
DSCN9648-1
現理事長の佐伯行彦さんと、
副理事長の伊原實さんが、
次代のセルコを率いることになる。

平さん、まだまだ砥石ならぬ、
セルコの重石として
活躍ください。

ロンドンの空から、
応援しています。

バルセロナから帰国したら月刊『商人舎』6月号本日発刊!!

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突然ですが、帰国しました。

バルセロナ・エルプラット空港での全員写真。DSCN3560-5
万代ドライデイリー会、
ロンドン・バルセロナ小売視察研修会。

成果を上げて、
イノベーションに挑む。

帰ってきたら、月刊『商人舎』6月号、
本日発刊。

2015.6-cover-page
商人舎magazine6月号も、本日公開。

特集は、
女性が働きたい店・会社・産業
「日本小売業ダイバーシティ」を厳しく中間総括する!!

[Cover Message]
かつて商店は夫婦で営まれた。
だから小さな商店は男一人、女一人。
5割が女性。
一方、日常品の買物は、
もっぱら女の仕事だった。
客は女性。
だから店には、 男性一人、女性二人。
そこでグータラ亭主は仕事をほっぽり出して遁走。
そして商店にはずっと、女二人がいた。
これはむかし昔のおとぎ話。

やがて小売業は
チェーンストア・システムによって巨大化した。
日本の高度成長が商店の発展を後押しした。
その大きくなった会社を維持するために、
分業が基本となった。
多くの社員を雇い入れ、幹部に仕立て上げ、
組織で動き始めた。
すると、かつての商店の
女性二人のバランスは崩れた。
組織で仕事をし始めると、男性社会となった。
これもちょっと昔の思い出話。

いま、ダイバーシティの時代。
多様性を受容する店と会社。
女性たちはちょっと昔、いやずっと前から、
パートタイマーとして店に戻ってきていた。
さらに幹部候補生予備軍として、
続々、入社して きた。
団塊の世代がリタイアする一方、
高齢者も組織に残った。
外国人も雇用され、
障害者も店で役割を果たす時代となった。

多様な価値観が、店と会社の中に渦巻く。
機械やコンピュータに
とって変わられる業種には多様性は薄い。
しかし小売サービス業の店頭にはもともと、
ダイバーシティの価値観が満ち溢れている。
女性が働きやすい会社は誰もが働きやすい。
女性が活躍する会社は、誰もが活躍する。
女性がドキドキワクワク働く店は、
顧客もドキドキワクワクする。

日本小売業ダイバーシティの現在を
厳しく中間総括し、
この産業の明るい未来を展望する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小売業は女性がマジョリティ、
しかしダイバーシティの面では遅れている。
そこに焦点を当てた。

ご愛読、お願いします。

さてバルセロナでは、
昨日の夕方、4時から、
最後の総括セミナー。20150608_174016-5

ロンドンのテスコ、セインズベリー、アズダ、
マークス&スペンサーとウェイトローズ、
さらにアルディ。

スペインでは、もちろんメルカドーナ、
地元のエロスキ。
フランスから侵入したカルフールとオーシャン。
そしてアルディと同じ業態ノリドル。

これらの競争プロセスを解説しつつ、
ポジショニング戦略を論じた。20150608_174151-5

ドライデイリー会では、
何度も何度も、
同じ理屈を説いている。

今回は万代の社員・役員も、
3分の1ほど参加して、
ともに学んでくれた。

それが全体の意思統一を、
推進することになる。
20150608_174227-5
ご清聴を感謝しつつ、
帰国後の取り組みに期待を寄せたい。

総括セミナーのあとは、
お別れディナー。
DSCN3531-5

一つ星レストランの「Via Veneto」
DSCN3532-5
伝統高級レストランで、
サルバドール・ダリが愛した店だとか。

山下和孝さんが挨拶。
㈱万代代表取締役副社長。DSCN3536-5

それからドライデイリー会会長の今津龍三さん。
㈱今津代表取締役社長。DSCN3538-5

あとは絶品のスペイン料理を堪能しつつ、
カバ、白赤ワインを楽しんだ。DSCN3542-5

最後は全員で、締め。DSCN3544-5

大阪締めではなくて、
「やるぞー」三唱。DSCN3549-5

最後の一夜が明けたバルセロナ。DSCN3550-5

リムジンバスで、最後の講義。
そしてバルセロナ空港。

いつものように全員写真のまとめ。DSCN3556-5

ハイ、決まりました。
Vサイン。DSCN3560-5

現地ガイドのセニョール・ムッタ。
これで3年連続でお世話になった。DSCN3563-5
感謝したい。

ルフトハンザに乗り込んで、地中海の空へ。DSCN3567-5

バルセロナの街が美しい。DSCN3569-5

国際航空運送協会の発表では、
2015年の世界航空業界の旅客数は、
35億4200万人との予想。
前年に比べて約7%の伸び。

私もかなり貢献している。

最終利益は合計で293億ドル。
これは過去最高。

その結果、予想平均運賃は、
往復で429ドルとなる。
これは昨2014年より9%安くなる。
もちろん消費税や燃油サーチャージを除いた金額。

空の旅は随分、身近になったが、
それがさらに日常的になる。

海外研修も盛んに行われるだろう。
いろいろなアイデアを盛り込んで、
有意義な研修をしたいものだ。

雲の上には、地中海の太陽。DSCN3570-5

眩しい。DSCN3571-5

やがて、森の国ドイツへ。
そしてフランクフルト。DSCN3573-5
ここで乗り継ぎ。

山下さんと握手して、別れた。DSCN3574-5
私は一人、成田空港へ。
ドライデイリー会は関西空港へ。DSCN3575-5

ルフトハンザは、売上高で世界第8位。
顧客満足度調査でも第8位。
悪くない。DSCN3578-5

ヨーロッパを雲が覆っている。DSCN3579-5
シベリアも曇天。

11時間後に、海が見えてきた。DSCN3582-5

翼よ、あれがニッポンだ。DSCN3584-5

その日本の田園風景に、
心が安らぐ。DSCN3590-5
みなさん、おつかれさまでした。
(バルセロナ・レポートはまだまだつづく)

〈結城義晴〉


昨日は生団連総会、今日はAJS総会、合間に岩田弘三さん

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月刊『商人舎』6月号は、
ダイバーシティの問題を取り上げた。

「女性が働きたい店・会社・産業」
私の古巣の『販売革新』や『食品商業』には、
ちょっと扱えないだろうテーマだ。

私自身勉強しつつ、巻頭に1万字書いた。
「女性が働きたい会社と産業の絶対条件」
これはぜひ読んでもらいたい。

さて昨日、フランクフルト経由で、
バルセロナから帰国して、
一度、横浜の自宅に戻って熱い湯に浸かり、
そのあと、東京へ出かけた。

ホテルニューオータニ。
生団連の定時総会記念パーティ。DSCN3617-2
国民生活産業・消費者団体連合会、
略して生団連。

重厚長大輸出産業の「経団連」に対して、
国民目線の国内産業の「生団連」。

いいネーミングです。

会合の前に、
並木利昭さんと秘密の懇談(?)
㈱ライフコーポレーション専務取締役。
DSCN3595-1
並木さんとはもう、
30年のお付き合い。

お世話になります。

記念パーティはまず、
清水信次生団連会長の挨拶。
DSCN3612-1
日本チェーンストア協会会長をはじめ、
数え切れないくらいの会長職、役職を担い、
この度、日本小売業協会会長に就任。
もちろんライフコーポレーション代表取締役会長。

数えの90歳だが、
「首から上は問題ない。
首から下は全く使えないが・・・」と、
笑いをとって、日本国の現状を立て板に水。
「我々はもっと自信と誇りを持って、
仕事に邁進しなければならない」
いつもいつも、元気づけられる。

ヨーロッパから帰ってきたくらいで、
休んでなんかいられない。

私自身が元気づけられた。

その後、消費者団体連合の皆さんの、
音頭で、乾杯。
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生団連こそまさに、
ダイバーシティの先進組織だ。

清水会長にご挨拶。
井上淳専務理事と私とで、
助さん角さんみたい。
DSCN3645-1
清水さんとはヨーロッパの国々の話題に、
随分と花が咲いた。

それから廣田正さんと垣添直哉さん。
DSCN3630-1
廣田さんは三菱食品、
垣添さんは日本水産。
ともに業界の顔だった方々が、
清水さんの生団連に駆けつけてくださった。

私がコーネル大学ジャパン副学長の時代には、
お二人に特別講師をお願いした。
素晴らしい講義だった。

改めて感謝したい。

それから齋藤充弘さんと白鳥和生さん。
齋藤さんは全日本食品会長、
白鳥さんは日本経済新聞社調査部次長。DSCN3655-1

それからフェイスブック仲間の森下留寿さん。
ライフコーポレーション取締役経営企画本部長。DSCN3628-1
やっと会えました。
じっくり話したいですね。

それから河津司さん。
現在は、消費者庁審議官。DSCN3639-1

記念パーティには、蕎麦屋が出店。DSCN3642-1

500人前を用意したとか。DSCN3640-1
ご苦労さま、ありがとう。

一夜明けて、今日は、
午後から東京・日本橋。
㈱ロック・フィールド東京オフィスを訪問。
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入口で手を消毒する。
DSCN3657-5
素晴らしい。

そして応接ルーム。
DSCN3659-5

岩田弘三代表取締役会長兼CEO。
DSCN3660-5

2時間近くも、たっぷりとお話を聞いて、
世界の事情を情報交換。
DSCN3684-5
こんなに話の合う方は、
滅多にいない。

商人舎発足の会の発起人を、
お願いしたのはもう8年前となった。

ふたり揃って、研修用キッチンで写真。
DSCN3750-5
いい感じでしょう。

その後、水道橋の東京ドームホテルへ。

AJS第53期定期総会と懇親会。
オール日本スーパーマーケット協会。
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総会後、会長・副会長、
そして理事、幹事の新人事が発表された。
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新会長は田尻一さん。
サミット㈱代表取締役社長。

副会長は4人。
まず福谷耕治㈱関西スーパーマーケット社長、
前原宏之㈱とりせん社長、
中野義久㈱ヤマナカ社長、
そして新任の芋縄隆史㈱コノミヤ社長。

ぐっと若返って、
新しいAJSのスタートだ。

私は変わらず、応援団長。

田尻さんがその人事を説明した。
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その後、新会長挨拶。
DSCN3800-5

堂々としていた。
DSCN3792-5
言葉を選んで、丁寧に、
協会への協力を訴えた。

その後、前会長の荒井伸也さんに、
記念品の贈呈。
DSCN3812-5

荒井さんは2001年から14年間、
会長職にあった。
本当にご苦労様でした。
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荒井さんも晴れ晴れとした顔つきだった。

荒井さんは新しく名誉会長に就任。
変わらず指導的立場につく。
DSCN3832-5

その荒井さんの挨拶は、
1969年に故北野祐次名誉会長と、
出会ったところから始まった。
DSCN3814-5
「いい店をつくること」
それだけに邁進する。

それが北野・荒井両名誉会長の、
AJS主義である。

どんな店がいい店なのか。
実はそれが問題なのだが・・・。

乾杯の音頭は、
㈱Mizkan Holdings社長の結城幸一さん。
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私も隣の席の福谷さんと乾杯。
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福谷さんはコーネル・ジャパン伝説の一期生。

㈱マツモトの松本隆文社長とは、
私、藪下ゼミの同期生。
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その後、怒涛の懇親会。
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㈱セブンスター社長の玉置泰さん。
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隣は私の相棒・松井康彦、
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

中野義久さんを挟んで、
国分執行役員の山崎佳祐さんと。
山崎さんはコーネル・ジャパン奇跡の二期生で、
低温フレッシュ・フードサービス統括部部長。
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そして新任副会長の芋縄さんと握手。
私の隣は紀文食品副会長の高市泰明さん、
端はコノミヤ経営企画室長の小林将人さん。
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小林さんはコーネル・ジャパン実行の三期生。

そして㈱日本アクセス社長の田中茂治さん。
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月刊『商人舎』を愛読してくださっている。

日本水産㈱取締役の脇坂剛さん。
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第一屋製パン取締役の前川智範さんと、
営業本部副本部長の鎌田恒雄さん。
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私は同社の社外取締役。

最後に中締めは小森嘉之さん、
丸大食品㈱会長。
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そして松本光雄専務理事。
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会長交代、ご苦労様でした。
新しいAJSを支えてください。

サミット㈱常務の服部哲也さん、
コーネル・ジャパン一期生。
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最後の最後に、
新会長の田尻一さんと、
固い握手。
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AJSをよろしくお願いします。

事務局の皆さんも、
お疲れ様。
DSCN3860

前田伸二さんと藤間香奈さん。
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前田さんはコプロ㈱取締役、
藤間さんはシニア・エキスパート。

帰り際に宮本洋一さんと出会った。
ブルーチップ㈱社長。
DSCN3863-5
不思議なことにこの会で、
最後に遭遇。

みなさん、お疲れ様。
ありがとうございました。

しかし、最後に私は思った。
井上保さんが、いない!

昨年11月2日に、ご逝去。
関西スーパーマーケット前社長。

まだまだ、残念な気持ちは、
消えてはいない。

私だけのつぶやき。

井上さんには一度、
オール日本スーパーマーケット協会会長を、
担ってほしかった。

もっともっと、
マーチャンダイジングに強いAJSの姿が、
際立ってきていただろう。

井上さんのご冥福を祈りつつ、
田尻さんをはじめとする若いリーダーたちに、
期待を託すことにしよう。

〈結城義晴〉

サン・ジョセップ市場と学習院DSCMの「学ぶこと・役立つこと」

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曜日の感覚がなくなった。
時差ボケもある。

生団連総会は、AJS総会は?
岩田弘三さんにお会いしたのは?

昨日のことか、一昨日のことか。
にわかに思い出せない。

バルセロナのサン・ジョセップ市場。20150606_175139-5

蜃気楼のように思い出す。
20150606_173833-5

カタルーニャ語で、
Mercat de Sant Jose。
バルセロナ市内にある、
40カ所の公設市場のの中の、
最大・最繁盛マーケット。

青果・精肉・鮮魚、乳製品。
それから菓子、乾物、調味料。
それに飲食店の数々。

起源は1217年に遡る。
バルセロナはもともと、
ローマが建設した都市だが、
その古い城壁の外に肉市場が起こった。

19世紀、バルセロナは人口激増。

1835年、この地にあった
サン・ジュゼップ修道院が火事に遭う。
その跡地が屋根を持つ広場として整備され、
1840年、市場は公式に開場し、
1853年に完成。

サッカークラブチームのFCバルセロナも、
1899年に誕生している。

この八百屋の美しさ。
20150606_174539

カラフルさは地中海の特性。20150606_174257-5

魚屋は女性が切り盛りする。
20150606_174046-5

こちらの女将は貫禄。
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地中海の鮮度のいい魚が並ぶ。
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菓子屋もバラ売り。
20150606_174506

そしてこれ。
20150606_174624-5

可愛い。
20150606_174633-5

この店は人気で、
いつも顧客で一杯。
20150606_174235-5
食を楽しむ。
食を遊ぶ。

朝日新聞『天声人語』
「遊ぶと学ぶは同じこと」

伝説の国語教師・故橋本武さんの言葉。
神戸の名門・灘中学高校の教員だった。

教科書を用いず、
中勘助の小説『銀の匙』一冊を、
中学3年間かけて精読する授業が有名。

コラムは、
文部科学省の大学指導方針を批判するが、
サン・ジョセップでは、
食を遊びつつ、
食を学んでいる。

それがいい。

橋本さんの至言。
「すぐ役立つことは、
すぐ役立たなくなる」

これは、さらにいい。

アメリカの詩人。
エラ・ウィーラー・ウィルコックス。
1850年11月5日~1919年10月30日。

その代表作は『Solitude』(孤独)。
冒頭の一節。

Laugh,and the world laughs with you,
Weep,and you weep alone;

笑いなさい、
世界はあなたとともに
笑うだろう。
泣きなさい、
あなたはひとり
泣くだろう。

サン・ジョセップも、
バルセロナも、
笑って、泣いて。
遊びつつ、学んでいる。

さて今日は、
夕方から東京・目白。

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学習院大学。
DSCN3866-5

その目白キャンパス。
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西5号館。
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学習院マネジメントスクール。
2015年DSCM基礎コース開幕。
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事務局長の林純子さんが、
冒頭の挨拶。

DSCMは、
ディマンド&サプライチェーンマネジメント。
商人舎公式ホームページ右段にも、
バナーが貼られている。

そして顧問は、
学習院大学名誉教授の湯澤威先生。
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今年度の開講講座が、
「潮目が変わる時代の流通概論」
講師は結城義晴。
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今年は24名の受講生。
全員が会社から派遣されて、
今日の6月12日から11月20日まで、
毎週金曜日に学ぶ。
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パラダイムの転換と、
流通の現代化に関して、
2時間15分、一気に語った。
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概論といっても、
スリリングで、
尚且つ面白くなければいけない。

しかし「すぐ役立つこと」ではない。

みんな、最初の講義だけあって、
極めて真剣に聞いてくれた。
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ご清聴を感謝したい。

レポートは精一杯、
書いてください。

講義が終わると、
ロビーでポット・ラック。
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今回の受講生が持ち寄った、
サントリービールとなとりのつまみ。
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数人が感想や決意表明を述べてくれた。
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最後は、今回の受講生を代表して、
藤田親継さんが締めの挨拶。
コープネット事業連合総合企画担当執行役員。
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そして全員で記念写真。
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遊ぶことは学ぶこと。
学ぶことは遊ぶこと。

笑いなさい、
世界はあなたとともに
笑うだろう。
泣きなさい、
あなたはひとり
泣くだろう。

そして、
「すぐ役立つことは、
すぐ役立たなくなる」
至言。

〈結城義晴〉

スペインのハイパーマーケット〈アルカンポ〉広大さのとんがり

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スペインから帰ってきて、
まだ3日しか経っていない。

ずいぶん、前のことのように、
感じられて、ちょっとさみしい。

そのスペイン小売業のランキング。
1位 メルカドーナ
2位 エル・コルテ・イングレス
3位 カルフール
4位 エロスキ
5位 ディアDIA
6位 インディテックス
7位 オーシャン・アルカンポ

2位のエル・コルテ・イングレスは、
スペイン国内に175店舗を有する、
国内最大のデパートメントストア。
その他に、ハイパーマーケット(総合スーパー)をはじめ、
スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストアなどを展開。

どこの国にもある多業態小売業。

今、弱ぶくみ。

ディアは、小型ハードディスカウントストア企業。
2012年にカルフールグループ傘下から独立して、
直営とFC合わせて6914店舗。
スペイン、フランス、ポルトガル、
それから中国、ブラジル、アルゼンチン、
6カ国に展開。

本拠地をスペインにおいて、
国内には半分の2925店舗を展開。

4.6%のシェアで国内小売業6位。

だから3位のカルフールと、
7位のアルカンポが外資ということになる。

今日はそのオーシャンのアルカンポを紹介。
オーシャングループはフランスでは、
Carrefourに次いで2位。
スペイン国内では4.6%のシェアで、
第7位。

オーシャンの社名は、
1号店の地名“Hauts Champs”と同音に由来する。

ロゴの鳥はロビン(コマドリ)。
ヨーロッパで多数生息していることから、
地域密着をイメージ。

年商は534億5400万ユーロ。
7兆4836億円。
ハイパーマーケットは12カ国で888店、
スーパーマーケットは6カ国で862店。
総店舗数1750。

スペイン進出は1981年。
スペインのアルカンポは、
ハイパーマーケット業態で、
ほかにスーパーマーケット、コンビニも展開。

典型的なハイパーマーケットを、
郊外で運営している。DSCN3464-5

とにかく巨大。DSCN3468-5

バスを降りて、
ぞろぞろ歩く。DSCN3376-5

そして地階からスロープで1階へ。DSCN3378-5

巨大なショッピングセンター。DSCN3382-5

しかしその3分の2は、
アルカンポの売り場。DSCN3383-5

レジの向こうに1万坪にも及ぶ売り場。DSCN3381-5

これです。DSCN3388-5

天井は高く、スケルトン方式。DSCN3390-5

ワイン売り場も広大。DSCN3391-5
ワインセラーを設けている。

コカコーラの売り場。DSCN3394-5

プロモーションは真っ赤に派手に。DSCN3395-5

バンドルセールの売り場も、
広大。DSCN3384-5
ハイパーマーケットは、
こういった思い切った仕掛けるすることができる。

大型店はそれが生命線だ。

広大さでとんがっている。
その広大さを生かす。

青果売り場はグリーン。DSCN3402-5

精肉売り場は赤。DSCN3403-5

チーズ売り場は黄色。DSCN3408-5

シーフード売り場は水色。DSCN3413-5
色分けして、
広大な売り場をわかりやすく分類する。

食品売り場が3000坪。

そして仕切りを作ってノンフード売り場。DSCN3421-5

真ん中にT字型のコンコース。DSCN3445-5

そして広大なプロモーション売り場。
これも広大さをとんがらせる仕掛け。DSCN3449-5

スペイン人の生活を、
上から下までごっそり、そっくり、
支える。DSCN3460-5

しかも高所得者から低所得者まで、
客層は高い。DSCN3463-5
その広い客層を抑えるキーワードは、
ロープライスとプロモーション。

ハイパーマーケットの経営レベルは、
カルフールを凌ぐオーシャン。

そのアウトスタンディングなポジショニングは、
広大さ。

その強みを生かすには、
どうするか。

それを幹部・従業員が、全員で考える。

社員持株制度の会社で、
私はこの会社に、
アメリカのパブリックスやウィンコの良さを、
認めている。
(つづきます)

〈結城義晴〉

ジジと名人会[日曜版2015vol24]

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ジジです。
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バルセロナからかえって、
ヨシハルおとうさん、
じっとしていない。

きょうは、ゴルフ。
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クラブハウス。
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朝いちばんで、
クルマで、でかけた。
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池のあるコース。
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緑がうつくしい。
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百葉箱。
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おとうさんは、
ヨーロッパにいくまえから、
ずっとたのしみにしていました。
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ボクもたのしみにしていました。
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赤い木。
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クリの木。
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木肌。
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きょうは、名人会。
1989年から、
つづいています。
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名人たち。
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左は女子プロ。

おとうさん、
どうでしたか。
DSCN3932-5
やっぱり、
ヨーロッパからかえったばかりで、
よくなかったのでしょうか。

でも、たのしめたら、
いいですよね。

時差ボケもなおるし。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

ヒラリー・クリントンの「ガラスの天井」と佐藤一斎の「壮にして学ぶ」

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Everybody! Good Monday!
[2015vol24]

2015年も第25週。
そして6月の第3週。
今度の日曜日は父の日。

私自身は、楽しみにしている。

ヨーロッパの6月。
ロンドンは10時過ぎまで明るかった。

スコットランドや北欧は、
もっともっと明るい。

遥か来て白夜のカフェの異邦人
〈朝日俳壇より 武蔵野市・ 相坂泰〉

先週は俳句を取り上げなかったので、
今日は2週間分。

白シャツを白く洗つて干す至福
〈朝日俳壇より 横浜市・神野志季三江〉

雨の降らない梅雨どき、
白シャツの洗濯。
気分が、いい。

口笛を吹いて通る子夏来たる
〈日経俳壇より 国分寺・森正美〉

これもいい気分。

月見草白昼うんざりしてゐたり
〈朝日俳壇より 東京都・無京水彦〉

わかるなあ。

草色を出てあぢさゐの始まりし
〈同 福知山市・宮本幸子〉

日本にいると、
紫陽花を見たくなる。

青嵐吹き来るまゝに吹かれをり
〈同 西宮市・竹田賢治〉

自然を感じる。
それが生きている証。

はつなつや見あきしはずの家のなか
〈同 東京都・井原三郎〉

そしてふと、我が家を振り返る。

心に余裕を持って、
仕事に邁進したい。

さてヒラリー・クリントン
アメリカ民主党の大統領候補。
ニューヨーク・ルーズベルト島で、
大規模集会を開いてスピーチ。
日経新聞夕刊が伝える。

「この美しい公園には、
元米大統領ルーズベルト氏の理念が息づく。
それは我々がなりたい国、
すなわち天井がない国だ」

女性の昇進を阻む障壁を、
「ガラスの天井」という。

「父親が娘に
『君はなりたいものになれる。
大統領にだってなれる』と
教えられるような国を築こう」

今月の月刊『商人舎』
特集は、
「女性が働きたい店・会社・産業」
ヒラリー・クリントン流に続けるならば、
「女性が働きたい国」

彼女はさらに、決め台詞。
「今回の大統領選で
最も若い候補者ではないが、
米国の歴史で最も若い女性大統領になる」

そして、変な表現だが、広く受ける。
「初めてのおばあちゃん大統領になる」

アメリカ人にも、
Glass Ceilingがあった。

日本のガラスの天井、
小売サービス業は、
女性がマジョリティであるからこそ、
逆に強固な防弾ガラスの天井がある。

しかしそれは実にもったいないことだ。

会社や産業の発展のために、
防弾ガラスをすり抜ける人財、
あるいはぶち破る人間の登場が必須だ。

さて今週の結城義晴のスケジュール。
今日は午前中、
東京・新小平へ。
第一屋製パン㈱の取締役会。
私は社外取締役。

午後も、会社の状態をヒアリング。

我が社の強みは何か。
そして何をどう、尖らせるか。

知恵を出しましょう。

夕方、ワイキャットから、
ベイブリッジへ。
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夕日が美しい。

羽田空港第2ターミナル。
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滑走路も美しい。
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雲の上に上がると、
ここでも夕日の赤が、
西の空を染めた。
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1時間半で、福岡。

ホテルに荷物を置いて、
中洲へ。
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ハウス食品㈱広域営業部長の小須賀勇さん。
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明日は「カレー&スパイスアクション」
その「九州フォーラム2015」。

生まれ故郷に帰ってきて、
ちょっとだけ癒された。

今週はその後、
水曜日に海浜幕張で、
イオンのための二つの講義。

ここでひと段落。
ヨーロッパから帰って、動き詰め。

週末から父の日まで、
ちょっと落ち着く。

しかし今週はずっと、
佐藤一斎の言葉が頭を離れない。
『言志晩録』60条。
(わか)くして学べば、
すなわち壮にして為すこと有り。

壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。

老いて学べば、
すなわち死して朽ちず。

私はまだまだ、
壮にして学ぶ段階。

まだまだ、学ぶ。

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

[追伸]
第7回ミドルマネジメント研修会。
開催が1カ月後に迫ってきました。
7月14日~16日。
完全合宿制度。
知識商人の志を、
ドラッカー・マネジメントをベースに、
学んで、学んで、学ぶ。

ご参加、ご派遣をお願いします。

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