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Channel: 商人舎 »結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
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NFMのミセスBと大塚久美子と「2020年の女性役員」

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日本プロ野球が開幕し、
春の選抜高校野球はベスト8が決まる。

いい季節です。
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横浜は今週から、来週が、
絶好の花見日和。
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商人舎オフィス横の新田間川の桜。
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もうすぐ満開です。

さて大塚家具の親娘争い。
毎日新聞と日経新聞が、
巻頭コラムで取り上げた。

毎日の『余録』は、
人々が暮らす空間と「家具」の話。

「家具」は昭和の新語。
それまでは「道具」と呼ばれた。
その前の日本には、
大きな家財はなかった。

大塚勝久は、たんす職人の家に生まれ、
高級家具の会員制販売で一時代を築く。

道具から家具へ。
日本人の生活空間が一 変した時代の
ファミリーヒストリー。

だから結論は、
「経営がにらむべきは
人々が暮らす空間の明日だろう」

かっこいい終わり方で、
コラムニストは自己満足しているだろう。

私は「家具の大衆化」の、
次の段階を見つめなければならないと思う。

一言で言えばそれは、
明日のホームファニシングの世界だ。

日経新聞の『春秋』は、
ネブラスカ州オマハのミセスBの話。
ネブラスカ・ファニチャー・マート(NFM)の創業者が、
ロシア移民のローズ・ブラムキン。

ウォーレン・バフェットの伝記『スノーボール』に、
出てくる話。

そのミセスBの経営のモットーは二つ。
「安売り」と「正直商売」。
利掛け率を10%にして、値引きはしない。

1893年生まれのロシア系ユダヤ人。

ウォルマートのサム・ウォルトンが、
1918年生まれだから、
サムもミセスBには影響を受けているはず。

エブリデー・ロープライスの戦略は、
ミセスBの商売哲学そのものだからだ。

ミセスBは週7日間、52週、
毎朝5時に起床し、休まず働き続けた。

71万平方フィートの店内を、
ゴルフカートで動き回り、
従業員に檄を飛ばし続けた。

ユーモアのセンスと抜群の記憶力を持つ、
ベジタリアン。

しかし学校に行ったことがなく、
話すことは達者でも、
英語の読み書きはできなかった。

ネブラスカ・ファニチャー・マートは、
オマハの家具市場の3分の1を占め、
年商1億ドルを超えた。

そのミセスBの会社を、
オマハの賢人バフェットは1983年の夏、
5500万ドル(55億円)で買収。

バフェットは買収後も、
経営には一切口を出さず、
ミセスBを褒め続けた。

ライバル店は消え、
遠くの街からも客が訪れた。

コラムは書く。
「人々をとらえたのは
安さや透明な値付けばかりではあるまい。
灰色混じりの髪を束ねて駆け回る、
身長150センチ弱の経営者の姿も
そうだったろう」

これは大塚久美子社長に、
「ミセスBを目指せ」とのメッセージだ。

その日経新聞が女性役員特集を組んでいる。
その一面記事は上場企業調査の報告。

2月現在の上場企業513社の回答。

この時点で、女性役員がいた企業は34%。
さらに「目標はないが誕生する見通し」の企業11%、
「5年以内に登用する目標を立てている」企業は6%。

合計すると2020年までに、
過半数の上場企業で
女性役員が誕生する。

ただし女性役員のいる企業のうち、
社外取締役のみ女性がいるケースが3割。

さらに役員に占める女性比率は、
2.9%だった。

女性の社内役員がいない理由の6割近くは、
「社内に実績の伴う候補者がいない」

記事の最後にある一文。
「女性役員比率の上位企業には、
流通・サービス業が多く見られた」

流通サービス業に多い女性役員。
その理由の一つは大塚家具のように、
創業家出身の女性経営者が多いからだろう。

ダイバーシティ論議は盛んだが、
ミセスBほどの女性経営者像は、
過去のものなのだろうか。

大塚久美子さんは、
ミセスBになれるのだろうか、
それとも新しい経営者像をつくり出すのだろうか。

日本マクドナルドホールディングスは、
大塚家具の2日前に株主総会を開いた。

カナダ人女性経営者サラ・カサノバは、
新しい経営者像なのだろうか。

「社内に実績の伴う候補者がいない」
6割の企業が挙げた理由こそ、
この問題の現状を示している。

それでも2020年に過半数の上場企業で、
女性役員が誕生する。

できれば社外役員でなく、
社内役員で誕生させて欲しいなぁ。

〈結城義晴〉


ジジのおしごと[日曜版2015vol13]

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ジジです。
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ねむい。
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「春眠暁を覚えず」
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おとうさんは、
おしごと。
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資料の整理。

その足もとで、
ボク、ねむい。
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でも、おとうさん、
うるさいです。
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なぜ、おしごと、
するの?
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おもしろいから?
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たのしいから?
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お金がいるから?
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ボクも、おとうさんみたいな、
おしごと、しなくていいの?
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ボクのおしごとは、
なんですか?
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おとうさんのおてつだい、
できないし?
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そばで、ねてるだけだし。
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それでも、いいんですか?

「それで、いいんだよ。
じゅうぶんだよ」

ほんと?
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ありがとう。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

 

本物の実務家しか持たない「 謙虚さ、思慮深さ、誠実さ、鋭さ」

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Everybody! Good Monday!
[2015vol13]

2015年も第14週。
3月最終週で、
週中の水曜日から4月。

昨年は消費税増税の切り替えの週で、
世間は騒然としていた。

今年は穏やかな4月への移行。

一月往ぬる、
二月逃げる、
三月去る。

2015年の弥生も、
去ってしまって、
卯月がやってくる。

三日降り三日晴れて木の根明け
〈日経俳壇より 長岡・柳村光寛〉

木の根明けは、雪国で、
木の幹の周囲に隙間が空き始める現象。

そして桜が咲く。
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昼休みに三ツ沢公園を散策。
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横浜の桜の名所。
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こんな桜もいい。
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春休みの子供たちが、
集団で遊んでいる。
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のどかな光景。
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日の本を駅伝のごとく桜咲く
〈朝日俳壇 青森市・浅田剛〉

桜前線が俳人の住む青森まで動くのは、
あと1週間か。

今週の販促企画は、
商人舎magazine、
weekly商人舎の日替わり連載。
月曜朝一・今週の販促企画。

この記事にもあるように、
甲子園の春の選抜高校野球は、
ベスト4が揃って、
明日、準決勝。

実は昨日の準々決勝が、
一番面白い。

雨の中の試合だったけれど。

そしてプロ野球。
セントラルリーグは、
阪神タイガースが三連勝で、
幸先のいい出足。

日経新聞のスポーツコラム『選球眼』
編集委員の島田健さん。

「27日はプロ野球の開幕日だったが、
スポーツファンにとっては
忙しい一日となった」

昼間に選抜高校野球、
夜はプロ野球。
サッカーは、
日本代表の国際試合と五輪アジア予選。
さらに女子ゴルフにフィギュアスケート。

「スポーツ全般に
興味をもっている人にとっては
ありがた迷惑だった」

というより、
スポーツマスコミにとって、
ありがた迷惑だったはず。

島田さん、愚痴っぽく語る。
「日本のスポーツは
横のつながりが少ないように見える。
同じ日にビッグイベントが重なると、
当然、メディアの扱いも
一つ一つが小さくなってしまう」

「野球界では選抜高校野球と
プロ野球が重なるのがいつも、
もったいないと思っている」

「野球という競技に統括団体がない、
一つの弊害だろう」

これはどんな世界でも同じで、
統括団体がないと、
顧客や市場の期待を、
裏切ってしまうことが多い。

さて、これも日経新聞『私の履歴書』
3月は古川貞二郎さんが書いてきた。
元官房副長官で官僚のトップ。
歴代内閣の裏側が興味深く綴られている。

先週金曜日から今日まで、
小泉純一郎内閣時代の話。

これが面白い。

「小泉さんは強運の持ち主であり、
政治センスも抜群だった。
しかも明確に方針を示してぶれない」
古川さんは何度も強調する。

そして小泉を支えた福田康夫官房長官。
第1次・第2次小泉内閣の女房役。
実はこの時の官房副長官が、
安倍晋三現首相だ。

古川さんは安倍さんと並んで副長官。

「小泉純一郎総理は
『聖域なき構造改革』を掲げ、
組閣では派閥の影響を排除するなど
斬新な政治手法で人気を集めた。
高い支持率を背景に、
リーダーシップを発揮して
経済構造改革や特殊法人改革、
郵政改革などを推し進めた」

そのエピソードの一つ。
「地球温暖化のボン会議で
日本が窮地に立ったことがあった。
このまま会議を続けるか、
開き直って会議を中断するか
日本代表団の意見が分かれ、
代表の川口順子環境大臣から
官邸の私に電話が入った」

川口さんからの緊急電話を受けた小泉首相。
「じっと聞いていた小泉さんは
『続けてくれ。あとは任せる』とたった一言。
トップリーダーのこの一言で
割れていた日本代表団が一致結束し、
難関を乗り切ることができた。
これが小泉流だった」

きっぱりと判断し、
あとは任せる。

古川さんは8年7カ月の在任期間中、
「原則毎日、古川番の記者と記者懇談会をやった」
通称「番懇」。

週5日のうち、4日は自宅、1日だけ官邸。
その自宅懇談は夜10時からの開始。

この番懇で古川さんが心がけたこと。

第1は「絶対にミスリードしないこと」
「私からは特ダネはとれない代わりに
ミスはさせないよ」
口癖だった。

第2は「いかに理解してもらうかにも腐心した」
新米記者よりやや上の記者の理解度を、
図りながら話した。
分からないようだったら言い方を変えた。

さらに「努力した記者」が、
一線に並ぶことがないよう苦心した。

未公表の人事情報などの確認を求められた時には、
基本的に正しい情報には「ノーコメント」、
間違った情報には「やめた方がいい」。

全体を読んでいると、
壮大な自慢話ではあるが、
それを直接、書くことは一度もない。

極めて大人の書き様。

それが歴代内閣から最も信頼された、
諸葛孔明か黒田官兵衛のような懐刀・古川貞二郎。

本物の実務家しか持たない、
謙虚さ、思慮深さ、誠実さ、鋭さ。

それが内閣という総括団体を、
正しくリードした。

3月いっぱい、
経営を考えるという側面からも、
実に有益な勉強をさせてもらった。

3月の商人舎標語。
「この一瞬を積み重ねよう」

一瞬一瞬に、私たちは、
謙虚でなければいけない。
思慮深く、誠実で、
それでいて鋭くなくてはいけない。

では、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

 

 

 

商人舎7度目の決算報告と「デフレは終わった」説

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3月最後の日。

春爛漫。
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夕桜けふも昔になりにけり
小林一茶がこう詠めば、
加賀千代女はこうつぶやく。
けふまでの日はけふ捨てて初桜   

一方、一茶の愛弟子・西原文虎。
かゝる代に生れた上に櫻かな

こんなにいい時代に生まれて、
その上に桜。

昨日は商人舎オフィスに来客。
㈱商人舎顧問税理士の宮田昇先生、
後藤周太郎税理士も同道。
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2015年1月期決算。
設立以来7度目の決算。

過去最高の売上高。
売上総利益も過去最高。
総資産も過去最高。
無借金経営。

ただし一昨年から、
月刊『商人舎』を発刊し始めたため、
営業利益や経常利益は、
まあまあの合格ライン。

流通消費産業界へのご恩返し、
社会的貢献だと考えて、
利益を削って、持ち出しをしつつ、
「紙と網の融合メディア」を続けていきます。

宮田先生には、
「お手本のようなきれいな決算」だと、
褒めていただきました。

ありがとうございます。

もうお一人は、丸山正博さん。
一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボード専務理事。
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パチンコホール経営企業の社会的地位向上を目指す、
業界外の有識者・専門家による第三者で構成する組織。

私はこの法人が設立された時から、
ずっと有識者懇談会の専門委員を務めてきた。
2カ月に一回、参集して議論する。
そしてメッセージを発する。

しかし昨年度は渡米が重なり、
一度しか出席できなかった。

その間、ダイナムジャパンホールディングスと、
ニラク・ジー・シー・ホールディングスが、
香港株式市場に上場を果たした。

一定の成果が上がった。

そこで昨年度いっぱいで、
有識者懇談会の専門委員を辞することにした。

長い間、お世話になりました。
ありがとうございました。

さまざまの事思ひ出す桜かな
〈松尾芭蕉〉
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商人舎magazineの、
daily商人舎ワールドニュース。
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスによる
米国3位ライトエイド買収の噂と三占・複占
私の持論を、書き下ろしました。
読んでください。

さて、日経新聞コラム『大機小機』
タイトルは「デフレは終わった」

コラムニスト一直氏が注目するのは、
2014年10~12月期の国内総生産、
そのGDPデフレーターの数値。
これは国内生産ベースの物価を示すが、
その数値が1997年以来、17年ぶりに、
プラスに転じて1.7%上昇した。

だから「デフレは終わった」

ところが専門家や消費現場では、
「デフレ脱却いまだし」の空気。

黒田東彦日銀総裁の最近の発言も同様。
その理由は、消費者物価が、
原油安の影響で低迷しているからだ。

直近2月の消費者物価上昇率は、
生鮮食品除くと前年比2.0%。

消費増税の影響は2%。
だから消費者物価は、
ほぼ1年前と同じだった。

日銀の「異次元の金融緩和」は、
「消費者物価の前年比上昇率が
安定的に2%に達する」ことを目標にしている。

「1年前と同じ」という見立ては、
安定的な2%には達していないことになる。

コラムは指摘する。
「これをもって異次元緩和を
さらに加速させるようなことがあるとすれば
将来に禍根を残す恐れがある」

デフレが終わったから、
異次元緩和もやめろ。

そうしないと、
もっと恐ろしいことになるぞ、
との警告。

インフレターゲット政策の、
最も難しいところ。

さらにもう一つの理由。
「国民のインフレ期待の醸成には、
日常品の価格のみではなく、
企業向け製品の価格動向も、
きわめて重要だ」

BtoCの価格だけでなく、
BtoBの価格動向も重要。

黒田総裁の最近の発言。
「人々のインフレ予想が明確に上昇した」
つまり国民はインフレを期待している。
それがコラムニストの見方。

政府は3月の月例経済報告で、
景気判断を上方修正した。
理由は、生産や輸出が上向いているから。

したがって最後の問題は、
消費増税で冷え込んだ個人消費となる。

こちらの回復はまだ十分ではない。
私たち流通小売業が一番、
それを実感している。

コラムニストは、
主要企業の本格的なベースアップの実現が、
消費を活性化させると判断する。

「所得増加が消費増加につながる構図」が、
着実に出来上がってきているとするが、
構図は出来上がっても、
現場がそれに伴わねばならない。

結語は、
「20年近くに及んだデフレは
終焉しつつある」

しかし、しかし。
こちとらは花が咲こうが咲くまいが   
〈小林一茶〉

大衆の財布の紐は、
そう理論通りに緩んではくれない。

ゆめゆめ油断はならない。

〈結城義晴〉

4月1日、転機の指針は必ずおめでたい方向を指している。

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4月に入りました。

毎日新聞の巻頭コラム『余録』が、
「エープリルフールのパラドックス」を書いた。

――「今日はだましてやるからな」
と兄が弟にいう。
弟は身構えて一日を過ごし、
「だまされなかったじゃないか」というと兄は
「だまされると思ってたんだろう。
ほら、だまされた」――

今日は各地で、入社式。

おめでとう。

希望を持って入社してきた人たち。
小売サービス業、消費産業に、
ようこそ。

それから転勤、転職。
進学、進級。

いずれも、おめでとう。

人生の転機は必ず、
おめでたい方向に向いている。

今日は突然だったけれど、
足立幸一さんが、
商人舎オフィスを訪ねてくれた。
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㈱LIXILの店名「建デポプロ」の切り札店長。
ブレインズ&ハンズの男。

立教大学大学院修了の修士で、
我が結城ゼミ5期生のゼミ長。

『立教ビジネスデザイン11』を持参してくれた。
この冊子の一番前に、
足立さんの紀要論文が乗っている。

テーマは、
「建材流通における
ホームセンターと専門店の業態盛衰」
私が指導した結城ゼミの本命論文で、
大変、いい研究でした。

その足立さん、今日、
北海道は札幌に転勤。
この足で羽田から新千歳へ。
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おめでとう。
固い握手。

かつてチェーンストア産業は、
北の新天地・北海道を、
日本のカリフォルニアと呼んだ。

しかしそこからは、
独自のイノベーションが生まれ、
ユニークな企業が誕生した。

アークスやラルズ、
ニトリホールディングス、
ツルハホールディングス、
札幌ドラッグストアー、
セイコーマートなどなど。

今日から日経新聞『私の履歴書』に、
似鳥昭雄さんが登場する。

そんな北海道へ、
足立幸一が赴く。

頑張れ。

彼の地で、嵐を巻き起こせ。

さて、第87回選抜高等学校野球大会、
決勝は敦賀気比高校が、
東海大学第四高校を破って優勝。

おめでとう。

足立くんが向かった北海道代表は落胆。
北陸新幹線開通で沸く福井は、
北陸勢として初の甲子園大会制覇。

北陸新幹線はまだ、
福井までは開通してはいないけれど、
おめでとう。

春の甲子園が終わって、
関東でも、桜が散り始める。
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そうして時は過ぎていく。

さて日経新聞の消費Biz欄。
「消費増税から1年がたち、
小売業の業績は
格差が鮮明になっている」

コンビニではセブン-イレブン・ジャパンが、
既存店売上高31カ月連続で前年超。

2位ローソン以下は前年割ればかり。

3位ファミリーマートと4位サークルKサンクスは、
統合して三占状態がくっきり。

今日、後者の親会社のユニーグループHDが、
ファミリーマートに吸収される形で、
統合検討委員会が立ち上がった。

そんなことも考慮に入れて、記事は指摘する。
「相対的に価格が高めのコンビニ」から、
都市部の食品スーパーマーケットに、
顧客が流れている。

ライフコーポレーション、
マルエツ、ヤオコー、
サミット、いなげや、エコス、エトセトラ。

ドラッグストアもやや曲がり角に来て、
大都市圏のスーパーマーケットは好調。

しかし、地方では、
消費者の節約志向は依然、強くて、
ディスカウントストアが支持を集める。

今日のdaily商人舎の記事は、
山口・丸久と大分・マルミヤストア
経営統合で
155店舗1200億円企業誕生

おめでたいのだろう。

周辺のローカルチェーンも巻き込んで、
さらなるM&Aが進行する。

私の持論は、
「範囲の経済の中の寡占・三占・複占」

10年以上も言い続けているが、
それが加速し始めた。

昨年の月刊『商人舎』4月号は、
「誰が価格を決めるのか?!」

私が執筆した巻頭提言。
2014 消費増税と新価格体系への処方箋
それから、
「増税価格戦略」イオンへの12の質問状

ユニバース社長・アークス会長 三浦紘一の
「真っ正直商法」&「大台価格セオリー」

エブリイ 増税後の
「価値訴求」と「100品目値下げ宣言」

さらに上田隆穂学習院大学教授の
価格決定の原理原則と応用技術

今、1年後の4月1日に読み返しても、
必須の考え方や技術。
大いに役に立つ。

ネット上でも構わない、
再読をお奨めしたい。

さて、4月に入って、
新年度に突入した企業も、
これからの1年がスタートした。

日銀発表の3月の「短観」は、
「緩やかながらもデフレ脱却の動き」を示す。

転機の指針は必ず、
おめでたい方向を指している。

それを信じて、
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

よろしく。

〈結城義晴〉

4月商人舎標語「世間良し、天も良し」とセブン&アイ一本足打法

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横浜の桜は今日、満開。

商人舎のそばを流れる新田間川、
その遊歩道にも美しく咲き乱れる。
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1日中、商人舎オフィスで、
月刊『商人舎』4月号の最終入稿と責了。
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ランチは遊歩道脇の牛角で、
なぜかカルビ&ハラミ定食。

それから散策。
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いい気分です。
すごく眩しいけれど。
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4月号の特集は、
「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
面白くて、役に立って、
テレビなどでは表現できない、
経営雑誌らしい特集。

ご期待下さい。

その4月号の巻頭Message。
それが4月の商人舎標語でもある。

「世間良し、天も良し。」

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

近江商人の商売哲学にして、
世界商業の現代化原理。
「三方良し」。

リアル店舗のスーパーマーケットも、
ネットスーパーのイトーヨーカ堂も、
移動スーパーの「とくし丸」も。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

こうでなくてはいけない。
商売の神様も仏様も、
解脱の手助けはしてくれない。

それが小売業の近代化の次に、
商業の現代化を果たすときにも、
貫徹すべき大原則である。

規模のメリットを追求し、
生産性の向上を追いかけ、
結果、行き詰まってしまった近代小売業。

ここまでは工業化すべきであり、
ここから先は工業化してはならない。
二つの性格を持った産業。

それが私たちの小売業、
私たちのチェーンストア、
私たちの消費産業。

リアル店舗小売業も、
ノンストアリテイリングも、
ネットスーパー、移動スーパーも。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。 
〈結城義晴〉

今月のスローガンは、
「三方良し、天も良し」でいきましょう。

よろしく。

さて、商人舎公式ホームページ上段のテロップは、
提携している「流通ニュース」。
今日4月2日のニュースは、
各社の決算がズラリ。

今日の決算報告のセブン&アイ関連の、
タイトルだけ引き出してみる。

セブン&アイ/
新年度の売上高6%増の6.4兆円、
営業益8.6%増を予想。

セブン&アイ/
2015年2月期の売上高7.2%増の6兆389億円、
当期利益1.5%減。

セブン-イレブン/
2月期は売上高8.4%増、営業利益5.0%増。

イトーヨーカ堂/
2月期は売上高2.0%減、営業利益83.4%減。

そごう・西武/
2月期は売上高0.2%増、営業利益0.8%増。

ヨークベニマル/
2月期は売上高4.2.%増、営業利益0.8%増。

セブン&アイ・フード/
2月期は売上高3.1%増、営業利益80.3%減。

前期の決算で、
きちんとした増収増益はセブン-イレブンのみ。
ヨークベニマルは増収、微増益、
そごう西武は微増収微増益、つまりとんとん。
減収大減益がイトーヨーカ堂で、
フードシステムは増収減益。

業態別盛衰一覧表の如き、
セブン&アイの2014年度決算。

結果、セブン&アイ・ホールディングは、
売上高6兆389億4800万円で、
前年同期比7.2%増。
営業利益3433億3100万円で1.1%増、
経常利益3414億8400万円で0.7%増、
しかし当期利益1729億7900万円で1.5%減。

日経新聞の編集委員で、
流通専門家の田中陽さんは、
この現象を「一本足打法」と名付けた。

新年度はこの一本足のセブン-イレブンに加えて、
オムニチャネル戦略とセブン銀行を、
もう一本の足にする方向であるという。
「二本足打法」。

そのオムニチャネルの名称は、
セブンネットショッピング。

だから収益の柱は、
セブン-イレブン、
セブン・ネットショッピング、
セブン銀行、
つまりセブン・トリオとなる。

これは田中陽さんの見立て。

まあ、セブンの名称が付くのはもう一つ、
セブン&アイ・フードシステムズで、
この社長はわが友・大久保恒夫さん。

早いところ、
セブン・カルテットには、
なって欲しいところだ。

もちろん戸井和久社長のイトーヨーカ堂も、
真船幸夫新社長のヨークベニマルも、
松本隆社長のそごう西武も、
セブン・カルテットに負けず、
それぞれに増収増益を目指してほしい。

結城義晴流に言えば、
ムカデ打法だ。

特にイトーヨーカ堂は3月8日に、
ネットスーパーのダークストアを、
西日暮里に実験オープンさせた。
月刊『商人舎』4月号で、
丁寧に取材したが、
これは優れもの。

そしてこれもオムニチャネルの、
基幹システムとなる。

新しいビジネスモデルの構築に、
チャレンジしなければ、
成長はない。

これは火を見るよりも明らかなことだ。

しかし、
買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

絶対に貫かねばならない。

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夜桜は美しい。

〈結城義晴〉

ユースキン製薬社員総会講演と伊勢丹・すき家の新型店・新価格

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4月に入って、3日。
低気圧に覆われ、強い風が吹く。

昼頃、川崎へ。
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ユースキン製薬株式会社。
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1955年創業で、
今年3月11日、
60周年を迎えた。

その社員総会が開催され、
私も招待された。

社長の野渡和義さんは、
私の中学・高校の器械体操部の先輩。
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午後の第二部が講演会。
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真ん中で話している齊藤和之常務が、
ドラッカリアンで、
今日のテーマは、
「ピーター・ドラッカー」。
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ユースキンの社員・幹部の皆さんに、
「ドキドキ・ワクワク・ニコニコ」の真髄を、
90分語った。
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まずは、月刊『商人舎』、
昨年の7月号。
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上田惇夫先生にご登場願って、
特集「The Retailer’s Druckerism」
ドラッカー・マネジメントの学び方・極め方 

強調したのは、
マネジメントの本質。
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「人の強みを生かすこと」

そして責任の組織化、
自己管理の目標管理、
そしてコミュニケーション。
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あっという間に90分。
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パワーポイントを使わない講演も、
とてもいいもんだ。

その講演のあとは、質疑応答。
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面白い質問で、
「ドラッカーがなぜ、
学者に受けないのか」

二つの理由を答えた。
ここでは内緒。

いい講演会だったと思う。
ご清聴を感謝したい。

その後は第三部。
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バイオリン演奏会。

会場はユースキン製薬本社4階。DSCN9913-5
素晴らしい景色。

演奏は大谷康子さん。
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東京芸術大学出身のナンバー1。
40年のプロ演奏家で、
2010年文化庁「芸術祭大賞」受賞。
「題名のない音楽会」には340回以上の最多出演。

目の前で、
日本のトップバイオリニストの、
気の入った生演奏。

その息遣い、指使い。
なめらかな音色。

音を出すのは、
あのストラディバリウス。

堪能した。

すばらしい。
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ユースキンの社員の皆さん、
幸せだ。
ー5

演奏会が終了して、
野渡先輩とテラスで写真。
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このあと、第四部の懇親会にも、
参加させていただいて、
社員の一人のように仲間に入れてもらった。

いい商品をつくり、
いい会社にしてください。

さて日経新聞の『消費Biz』
「百貨店が新型店」の記事。

三越伊勢丹ホールディングスが、
東京ミッドタウンに
「イセタンサローネ」1号店を開く。

欧米の高級衣料や雑貨の、
約90ブランドをそろえた高級店。

想定客単価は5万円。
伊勢丹新宿本店よりも大幅に高い。

売場面積は約900㎡。
フロアごとに、約30㎡のサロンを設ける。
これは試着室を兼ねたスペースで、
それが店名にも使われている。

イセタンサローネ種村俊彦店長。
「これまで百貨店での買い物に
価値を感じていなかった世代へ、
伊勢丹が持つ魅力を凝縮して発信する」

このあと、名古屋市などの都市部で、
10店ほどの店舗展開を図る。

顧客ターゲットは、「ニューリッチ」。
起業や投資で新たに富を築いた富裕層で、
40代が中核。

世帯収入の高いダブルインカムなども、
このニューリッチに入ってくる。

野村総合研究所調査。
純金融資産1億円以上の富裕層・超富裕層は、
2013年に100万世帯を超えた。
この客層を狙う。

東急百貨店、Jフロントリテイリングも、
新しいフォーマット開発をする。

すでに従来型大型百貨店は、
その新規出店余地がない。

三越伊勢丹HDの大西洋社長の発言。
「中間層の消費はまだ回復しきっていない」

そこで新しい超高級フォーマットへの挑戦。

このブログでは盛んに紹介しているが、
アメリカの百貨店戦略は、
全企業がオフプライスストアに向けられている。

私はこちらが本命だと考えているが、
日本の経営トップの視線は、
逆のほうに向いている。

さて、いかに。

イセタンサローネも、
今後を注目するとは言わないが、
様子を見守っておこう。

一方、これも日経新聞だが、
「すき家、賭けの値上げ」
もう、私の観点に答えてくれる新聞は、
日経しかない。

ゼンショーホールディングスの「すき家」
牛丼チェーン3強の中で、
最後まで並盛り200円台価格を守ってきた。

それが値上げ決定。
現在291円の並盛りは350円。
牛丼49アイテムを42~62円値上げする。

吉野家ホールディングス、
松屋フーズ、
ともに380円。

それに合わせるプライスライン。

すき家は昨年8月にすでに、
並盛りを21円高い291円に値上げしていた。
商品内容は見直さず価格だけをアップ。

それでもライバルに対して、
唯一の200円台だったから、
大丈夫だとの判断。

しかし、客足は、
目に見えて鈍った。

昨年8月というのも
中途半端な時期だ。

4月から消費増税が始まったから、
その時になにかしておかねばならないし、
その後は動いてはいけない。

だから今回の再値上げにも、
慎重にならざるを得ない。

すき家の値上げの理由は二つ、。
一つは原材料価格の上昇。

牛丼に使うのは米国産バラ肉、
ショートプレートと呼ばれる。
その国内取引価格は現在、
1キロ800円台。
1年前より2~3割高。

すき家値上げのもうひとつの理由は、
労務問題。

ゼンショーには足かせがある。
深夜営業休止。

いままで必死で再開の努力をしてきたが、
3月末時点でもまだ616店が再開できない。
3割の店舗だ。

だから15年3月期の連結営業利益は、
前の期比7割弱のダウン。

止むにやまれぬ値上げの内容は、
牛肉・タマネギなど具材の増量。
並盛りで20%増やす。

しかし果たしてこれで、
客足を繋ぎ止めることができるか。

三越伊勢丹はニューリッチを狙い、
牛丼のすき家は増量して値上げ。

三越伊勢丹は百貨店業界第一位、
ゼンショーは外食産業トップ

そんなナンバー1企業の政策だが、
どうも本命とは見えない。

それが現在の小売サービス業界。
ピーター・ドラッカー先生が生きていたら、
なんとコメントするのだろう。

あなたたちは、
ドキドキ・ワクワクする仕事を、
していますか?

〈結城義晴〉

「平成大型景気」とユニーの赤字、ジョージアのセブンプレミアム化

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「大型景気が始まる」
日経新聞コラム『大機小機』で、
コラムニストの富民氏が書く。

「わが国の交易条件が急回復している」
交易条件とは、
輸出商品と輸入商品の交換比率。
輸出物価指数と輸入物価指数の比で表す。

その交易条件は
昨年9月から今年2月までの半年で、
13.5%上昇。

これによって、
海外に流出していた所得が、
還流して景気を押し上げる。

年率10兆円の改善。

バブル崩壊以来20年あまり、
未曽有の長期不況が続いた。

そして平成大デフレが終わり、
需給ギャップが解消される。

景色が一変する。

設備投資は拡大され、
縮小均衡から拡大均衡へ、
経営の大転換が始まる。

設備投資を再開すれば、
資本ストックが拡大して、
成長率は押し上がる。

人口減少の問題に関しても、
女性と高齢者の労働参加率向上で、
労働力人口が年率0.5%で増え始めた。

「新年度は事業計画を見直し、
新しい長期計画を策定して、
拡大戦略に転じる企業が増える」

「期初の業績予想は慎重でも
期中で上方修正され、
最高益を更新する企業が増えるだろう」
コラムニストは煽るように書く。

消費増税によって、約半年間、
景気は踊り場にあった。
しかし昨年9月から上昇に転じた。

「今回は潜在成長率の上昇を伴った
息の長い大型景気になりそうだ」
この予想が当たるとありがたいのだが。

しかし流通業では、
ユニーグループ・ホールディングス。
2015年2月期の連結最終損益が、
24億円の赤字と発表。

前期は74億円の黒字だったし、
期中予想は54億円の黒字だった。

ファミリーマートと経営統合する機会に、
「膿を出し切る」
そこで一転、5年ぶりの赤字。

不採算のユニー店舗を対象に、
92億円の減損処理の実施をする。
コンビニエンスストア事業も減損処理。
損失額は通期で174億円に達する。

これがユニーの実態だった。
だからファミリーマートの傘下に入る。

先のコラムニストの分析に、
この現象も符合するのか。

ユニーグループの連結営業収益は、
1兆189億円、前年比マイナス1%。

営業利益は202億円で、
20%のマイナス。

一方、これも日経の消費Biz。
日本コカ・コーラグループが、
セブン&アイ・ホールディングスと
缶コーヒーを共同企画。

主 力ブランド「ジョージア」のロゴと、
「セブンプレミアム」のロゴが同居する。
上部にセブンプレミアムのロゴがある「ジョージア」
日本コカコーラは、
「PB商品はつくらな い」という方針だった。

しかしこのジョージアは、
セブン&アイの約1万8000店だけで販売。
だからPBに違いはない。

日本コカは言い訳のごとく説明。
「PBでなく、
あくまで共同企画の『ジョージア』だ」

しかし客観的に見て、
PBに間違いはない。

2014年の缶コーヒー市場は、
3億4300万ケースで、
減少傾向が続く。

その原因は、
コンビニのいれたてのコーヒー」の影響。
コンビニ大手5社の販売計画は、
14年度で計13億杯。

スーパーマーケットも、
これに対抗すべく挽きたてコーヒーを販売する。

つまり「コーヒー戦争」。

すでにセブン&アイは、
サントリー食品の「ボス」を、
共同企画品として展開してき た。

それによって、
トップブランドのジョージアは、
出荷数量が昨年2%減。
2位のボスは6%増。

これへの対抗策が、
ジョージアの「共同企画」と称するPB化。

そこでセブン&アイは今回、
サントリーから日本コカにくら替え。

セブン&アイは、
カテゴリー大手メーカーと組んで、
ブランド商品を独自の競争力にする戦略。

カップ麺では日清食品、
ビールはアサヒビールとサントリー、
スナック菓子ならカルビー。
日用品でも、花王やライオン。

それぞれのカテゴリーのトップメーカー群が、
共同企画PBに参画せざるを得ない形。

ユニーホールディングスの件、
コカコーラのセブンPBの件。

こういった入れ替わりの激しさが、
今回の大型景気の特徴かも知れない。

平成の大型景気の進み方は、
従来型とは異なる、
社会的効率化現象を生み出す。

しかしはもうひとつの現代化を考える。
大企業とボランタリーチェーン、
ローカル企業と個人事業主。
そういったコラボレーション。
ヤマダ電機とコスモス・ベリーズ、
住友達也さんのとくし丸。

巨大企業同士の製販共同。
大と小との資本関係のない同業協業。

いずれも商業の現代化ではあろう。
どちらが将来を見ているか。

それは考慮に入れておかねばならない。

〈結城義晴〉

 

 

 


ジジと不思議な桜の年[日曜版2015vol14]

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ジジです。
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春もまんなか。
山桜がうつくしい。
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でも、ウィークエンドは、
雨ばかり。
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桜の花も、ちりはじめた。
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ことしは、
はやいですね。
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ちょっと、残念です。
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こちらも葉桜。
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また来年も、
よろしく。
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桜のかわりに、
花がさきます。
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チューリップ。

花壇はいろどりどり。
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そとの景色はかわっていく。
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そうして、時がすぎていく。
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きのうは月食だったそうです。
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国立天文台のイラスト。
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雨がふらなければ、
見えたはずです。
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つぎのチャンスは、
2018年の1月31日。
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そのときにボクたちは、
どうなっているのでしょう。
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そんなことも、
おもったりします。

ことしは不思議な、
桜の季節でした。
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でも、ありがとう。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

4月商人舎標語の「あなた良し、わたし良し、天も良し」

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Everybody! Good Monday!
[2015vol14]

2015年第15週。
4月第2週。

今日からweekly商人舎の、
日替わり連載「月曜朝一」が、
タイトル変更。
「2週間販促企画」

常磐勝美の「2週間天気予報」が好評で、
それに合わせて2週間販促企画にする。
以後、よろしく。

雨だれの少し乱れて春動く
〈日経俳壇より 京都・中村貢〉
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横浜では、桜も散り始めた。DSCN9970-5

チユーリツプ芽立ち十日の力見せ
〈朝日俳壇より 長崎市・濱田星火〉
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チューリップは、
芽が出て10日くらい経つと、
ギュギュッと伸びてくる。
それが目に見えるほどに。

季節は変わる。
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日はいつも裸のままに笑ふ春
〈朝日俳壇 札幌市・竹縄律子〉
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桜からチューリップへ。

新年度に入って、
職場の環境が変わった人、
メンバーが変わった部署、
さまざまだろう。

その新しい環境の下で、
ゴールデンウィークまで、
突っ走る。

今月の商人舎標語は、
「世間良し、天も良し。」

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。近江商人の商売哲学にして、
世界商業の現代化原理。
「三方良し」。

リアル店舗のスーパーマーケットも、
ネットスーパーのイトーヨーカ堂も、
移動スーパーの「とくし丸」も。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

こうでなくてはいけない。
商売の神様も仏様も、
解脱の手助けはしてくれない。

それが小売業の近代化の次に、
商業の現代化を果たすときにも、
貫徹すべき大原則である。

規模のメリットを追求し、
生産性の向上を追いかけ、
結果、行き詰まってしまった近代小売業。

ここまでは工業化すべきであり、
ここから先は工業化してはならない。
二つの性格を持った産業。

それが私たちの小売業、
私たちのチェーンストア、
私たちの消費産業。

リアル店舗小売業も、
ノンストアリテイリングも、
ネットスーパー、移動スーパーも。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。  〈結城義晴〉

近江商人の三方良しは、
「売り手良し、買い手良し、世間良し」
しかし同じ意味を、
「あなた良し、わたし良し、天も良し」

商売の方、
これで、よろしく。

さて個人的な興味で恐縮だが、
今週後半は、男子ゴルフのメジャー大会。
第79回マスターズ・トーナメント開幕。
米国ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC。

今朝の日経新聞が、
マスターズ特集と組んだほど。

ロリー・マキロイ(イギリス)が、
ガチガチの本命候補。
アメリカのバブ・ワトソンが対抗。

私は豪州のアダム・スコットも応援している。
ユニクロがスポンサーで、
スコットが活躍すると、ウェアも売れる。

日本からは23歳の松山英樹しか出場しない。
石川遼は参加権を獲得できなかった。
しかし松山は、いいところまで行くと思う。

日本では女子プロ人気が優先されるが、
アメリカではやはり男子のプロゴルフ。

地球上で一番強くて上手いゴルファーは誰か。
その技術はどんなレベルか。

そこに関心が集まる。

日本はちょっと違う。

欧米はフィジカル、メンタル、テクニカルな強さ。
日本の男子は世界に比べてそれらが弱いから、
女子のファッショナブルなゴルフに人気が偏る。
それが日本のゴルフ界の問題でもあると思う。

今週あたりから、どんどん、
2月決算企業の実績が、
明らかになってくる。
そのあとは3月期決算期企業の番。

いろいろと評論を加えてみたい。
楽しみだ。

私は週中で新潟に出張、
その後も取材などが続く。

それは「三方良し」を確認する旅でもある。
売り手良し、買い手良し、世間良し。

では、みなさん、
今週も。
Good Monday!

〈結城義晴〉

ドラッカー学会事務局長・井坂康志さんと「すでに起こった未来」

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菜の花が咲くころに降る長雨。
菜種梅雨の中、
落桜の道。
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今年の桜の季節は早かった。

そう思っていたら、
意外にしぶとく残ってくれた。
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桜は花びらが落ちる頃が、
一番いい。
IMG_1444

昨日は横浜商人舎オフィスを、
井坂康志さんが訪ねてくれた。
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東洋経済新報社のプロデューサーで、
ドラッカー学会理事・事務局長。
ものつくり大学客員教授など歴任。

ドラッカー学会は、
「ピーター・ドラッカーの
思想全般と経営理論に関して、
学界、ジャーナリズムおよび産業界等の
連絡と協力に基づいて
学術的、実務的交流を推進し、
その深化、継続、啓蒙、
発展をはかることを目的とする」

上田惇生先生を中心に、
元ダイヤモンド社編集者の藤島秀記さんと、
この井坂康志さんの三人で、
2005年11月に設立された。

現在の代表は立命館大学三浦一郎教授、
顧問は多摩大学野田一夫名誉学長。

会員は実務界・学界を中心に800名超。
流通業界からは、
伊藤雅俊さん、柳井正さんが、
名を連ねるし、
もちろん私も会員の一人。

そのドラッカー学会を支える事務局長。

井坂さんは上田先生の信頼が厚く、
その上田先生が、
私に紹介してくださった。

著書は上田先生との共著。
「ドラッカー入門新版」
「ドラッカー:人・思想・実践」

井坂さんはいま、
ドラッカーの実践法を考察・執筆中。

詳細は語れないが、
近いうちに世に出るだろう。

二人してドラッカーのこと、
上田惇生先生のこと、
じっくりと語り合った。

今日の『ほぼ日』の巻頭言。
糸井重里が予言について書く。

「5年前に、これほど
『パンケーキが流行する』と、
予言していた人はいたのでしょうか。
粉と卵と牛乳を混ぜて焼いたものは、
もともとあったはずなんですよね。
そして、けっこうたくさんの人が
食べていたと思います。
でも、流行はしてなかったと思うんです。
行列をつくるほど人が並んでも
食べたがるとはねぇ」
糸井流の切り口。

事例は続く。
「そういえば、ジンギスカンが
流行したことがありました」

「ジンギスカンが流行することも、
誰かが予言していたとも思えません。
また、その流行が
あれほどはやく終るということも」

さらに。
「『博多もつ鍋』の流行も
あったっけなぁ」

「プロ野球の順位予想とかも
そうなんですけど、
予言って、当たったか外れたか
どうでもいいのかもね。
『予言をする』ってことが、
ひとつの遊びで、
それ以上のことは
期待されてないのかもしれない」

そして言い切る。
「世の中で目立っていること、
ある時期に起こっていることは、ほとんど、
予言されてないことばかりなんじゃないかなぁ。
そのわりには、予言好きな人たちは、
よくまぁ、予言しますよね、
それが仕事だからか‥‥?」

そして最後に落ち。
「あ、予言より意志のほうが、
なにかを変えるということか」

ピーター・ドラッカーは、
「すでに起こった未来」と表現する。

それを観察し、考察する。
すると未来が見えてくる。

『創造する経営者』でドラッカーは語る。
「すでに起こった未来は、
体系的に見つけることができる」

そこで調べるべき領域は五つある。

「第1に調べるべき領域が、
人口構造である。
人口の変化は、
労働力、市場、社会、経済にとって
最も基本となる動きである。
すでに起こった人口の変化は逆転しない。
しかも、その変化は速くその影響を現す」

「第2が知識の領域である。
企業は、その卓越性の基盤とすべき
知識の領域においてこそ、
違うものにならなければならないからである。
影響がまだ現れていない知識の変化を
見つけなければならない」

「第3の領域は、当然のことながら、
他の産業、他の国、他の市場である。
これらのものに目を配り、
われわれの産業、国、市場を変えることは
起こっていないかを考えなければならない」

いつも講義するけれど、
商人舎のUSA研修会は、
「すでに起こった未来」を調べることを、
目的としている。

「第4の領域は産業構造の変化である」
これも私は、、
業種から業態へ、そしてフォーマットへと、
流通産業構造の変化を解析している。

そして「第5の領域が、
それぞれの組織の内部の変化である。
そこにも、すでに起こった未来がある。
基本的な大変化であって、
まだ影響の現れていない事象を
見つけることができる」

実は経営において、
これが一番、大切なことかも知れない。
自分の組織の内部の変化から、
見つけることができるもの。
そこにイノベーションがある。

「すでに起こった未来は機会である。
潜在的な機会である。
一つの傾向における変化ではなく、
傾向の変化そのものである。
パターンにおける変化ではなく、
パターンそのものの断絶である」

糸井重里のいう予言と、
「すでに起こった未来」は異なる。

五つの領域を調べ尽くして、
体系的に探索するものが、
すでに起こった未来だ。

だから、それこそが、
明日をつくるために
今日なすべきことなのだ。

そしてそれは自分の目で見、
自分の耳で聞くところから始まる。

他人の予言を盲信してはならない。

〈結城義晴〉

1994年の「上越ウィング」と上越のマーケット・ニッチャー「イチコ」

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4月に入って、
東京では5年ぶりに、
雪が降った。

その寒気団に覆われた日本列島を、
新開通した北陸新幹線に乗って、
軽井沢を過ぎ、長野から、
上越妙高へ。
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左手に標高2454mの妙高山も見える。DSCN9973-5

新築された上越妙高駅で、
㈱ブルーチップの皆さんに、
出迎えていただいた。
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真ん中が宮本洋一社長、
右が鍋島丈夫営業統括部長。

それからこのエリアの店舗を視察。

まず、イチコ直江津店。
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隣はファーストリテイリングのGU。
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それからイチコ高田西店。
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この店はツルヤをベンチマークして、
店づくりがなされた。
DSCN0006
イチコは上越市に地盤を持つ、
クォリティ&サービス型スーパーマーケット。
現在7店舗で、年商93億円。

私はマーケット・ニッチャーと位置づけた。

一方、マーケット・リーダーは、
アクシアルリテイリングで、
店舗バナーはナルス。
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もともとは上越市のナルスが、
長岡市に本部を持つ原信と経営統合。
さらにフレッセイが加わって、
アクシアルリテイリングへ。

新潟県ナンバー1のスーパーマーケットから、
北信越北関東のリージョナルチェーンとなった。
2014年3月期売上高1724億円、
経常利益57億6200万円。

株価も3550円と絶好調。

この店は業績同様、
状態のいい新店。
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この他、上越市には、
バローが進出し、
もちろんイオンモールも、
デンと構えている。

そして懐かしいのが、
上越ウィング。
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日本初のパワーセンターとして、
1994年6月オープン。

私は㈱商業界の月刊『食品商業』編集長で、
大特集を組んだ。

当時は核店舗にカウボーイ、
コメリなどが入って、
さらにほとんどがワンフロアで、
広大な駐車場を持っていた。

そのカウボーイも撤退し、
ロゴの跡だけが残る。
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コメリパワーとバナーがつけられていたが、
現在はこんな感じ。
DSCN9988-5

カウボーイは当時、勢いのある、
週末型ディスカウントスーパーマーケットだった。

そこでダイナマートが出店。
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こちらは確か、生鮮ディスカウンターと、
シーツー・ネットワークが共同出店していた。

今はひらせい。
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ホームセンターもコメリとひらせい。
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テナントも随分、撤退して、
質屋や温泉などが入っている。
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ショッピングセンターはオープンする時点で、
第5次くらいまでの増床計画を持たねばならない。
店舗にも将来の増床計画はあったほうがいい。

上越ウィングの周辺には、
オープン当時も土地はあった。

しかしそれを確保することもなしに、
周辺にインモールなどができて、
だんだん陳腐化していった。

いまは最新の北陸新幹線と対比的に、
古い古い上越ウィングが残る。

私には感慨深いものがあった。

上越市は桜の名所。
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車で通過して、
講演会場へ。

㈱一小イチコ協力会第34回総会。
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その記念講演。DSCN0021-5

300人以上の取引先の皆さんが、
参集して、盛況。
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前列には協力会幹部の面々。DSCN0029-5

コンテスト型競争の本質と、
その中でマーケット・ニッチャーの、
採用すべき戦略を、
90分間、語った。
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ご清聴を感謝したい。

その後、全員での着席懇親会。

そして二次会。
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私の両隣りが、
竹内寿イチコ会長と竹内一夫社長。
社長の隣は義理の弟さんの根橋弘樹さん。
日清食品冷凍㈱プロダクトマネジャー。
両サイドはブルーチップの宮本さんと鍋島さん。

竹内寿会長は、77歳。
商品に造詣が深く、
そのモットーは、
「よい商品を適正な価格で提供すること。
安全でごまかしのない商品を扱うこと」
じっくりと話をして、
随分と勉強になった。

マーケット・ニッチャーは、
隙間企業ではない。
ニッチとは「正当に位置づけられた存在」。
小さくてもその市場で存在感のある企業が、
マーケット・ニッチャーだ。

イチコは全国でも珍しい、
そのマーケット・ニッチャー。

マーケット・リーダーは、
圧倒的なシェアを持つトップ企業。
マーケット・チャレンジャーは、
リーダーとは判然と異なる戦略を打ち出す企業。
そしてマーケット・フォロワーは、
リーダー、チャレンジャーを追随、模倣する企業。

そしてマーケット・ニッチャーには特に、
竹内寿会長のような一徹の哲学が必須である。

最新整備新幹線の北陸新幹線、
日本初のパワーセンター上越ウィング、
そしてマーケット・ニッチャー「イチコ」の哲学。

時代を行ったり来たりして、
実に感慨深い一日だった。

〈結城義晴〉

上越高田公園の桜満開とファミマ&ユニーの「5年ぶり」

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新潟県上越市で目覚めた。
1971年、高田市と直江津市が、
新設合併して上越市が発足。
さらに2005年、周辺の13町村を編入合併。
新潟県では新潟市、長岡市に次ぐ人口。

市の木は桜。
そして日本三大夜桜の地。

一つは東京都上野恩賜公園、
二つは青森県弘前公園、
そして三つは新潟県高田公園。
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妙高山を背負って、見事な桜。
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なほ見たし花に明け行く神の顔   
〈松尾芭蕉〉

背景の妙高山と外輪山。
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その中のトップが、妙高山。
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ブルーチップ㈱の宮本洋一社長、
鍋島丈夫営業統括部長と散策。
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写真を撮ってくれたのは、
第一営業統括部の高橋康二さん。

橋を渡って旧高田城内に入ると、
見事な桜。
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周辺にはずらりと屋台。
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お堀端の桜。
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右手も桜。
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左手も桜。
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お堀の噴水と桜。
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城の中、外、そこら中、桜。
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屋台もいたるところにある。
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お化け屋敷まで出ている。
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ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな

〈村上鬼城〉
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夜桜用ライトアップ装置が施されている。
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ハイライトはここ。

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桜咲く日本に生まれ男かな
〈巌谷小波〉

今日の『ほぼイトイ新聞』。
糸井重里の巻頭コラム。
「日本にやってくる外国人の観光客に、
いわゆる高級日本料理やら、
それの廉価版みたいなものを
おすすめするよりも、
日本の『ふつうのおいしいもの』
もっと紹介するようにしたほうがいいよね」

賛成です。

「イーロン・マスクがラーメン屋に行ったとか、
オバマ大統領が鮨屋に行ったとか」

それよりも、
ふつうのおいしいもの。

糸井のおススメは、
例えば「とんかつや」。

「すき焼きとか、
しゃぶしゃぶが好きなのも知ってるし、
天ぷらも鮨も
お客さんが来ているのはわかってる。
そして、『やきとり』も人気があるでしょう。
その流れからしたら、
日本人に人気の
『ふつうにおいしいもの』は
みんなオッケーだろう」

「肉じゃが、鳥のからあげ、
ナポリタン、焼肉、フライ、
ハンバーグ、親子丼、豚肉のしょうが焼き。
そういうものが、みんないけるだろうな」

「日本の、ふつうの家で人気のある料理は、
日本の食文化として
鍛え上げられて育ったものです」

「『いわゆる日本文化』の文脈からすると、
大衆的な『ただの町のうまいもん』なんでしょうが、
こっちを、ちゃんと
名物化する必要があると思います」

大賛成。

「ふだんやってない、
ほんとうには身に備わってない
『絵はがき』のような日本料理は、
むろんいいですが、
ポピュラーな『ふつうにおいしいもの』を、
世界の人たちに、食べてもらいたいですよね」

桜見の屋台などもそれだろう。

「なんかさ、それがほんとの
日本を伝えることじゃない?
しかも、そういうところにこそ
『日本の底力』が、
たっぷり染み込んでいる気がするんですよね」

昨日の㈱イチコ会長の竹内寿さんの言葉。
「私たちは高級スーパーを目指していません。
一般庶民が相手です」

その一般庶民の「おいしいもの」に、
「日本の底力」がある。

もちろん桜もどんどん、
外国の人たちに見てもらいたい。

北陸新幹線が開通して、
上越は東京から2時間。
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もっともっと、知らしめたいなぁ。

さて、 ファミリーマートとユニーグループ。
両者のニュースが、
今日、重なった。

ファミリーマートの2015年2月期連結決算。
売上高3744億3000万円で、
前年同期比プラス8.3%ながら、
営業利益404億1700万円でマイナス6.7%、
経常利益425億2000万円でマイナス10.1%。

5年ぶりの減益。

新規出店数は1120店。
閉店数を引き算して、
純増は781店。

韓国撤退に伴う株式売却益を計上して、
当期利益は256億7200万円と、
これだけはプラス13.5%。

つまりは増収減益決算。

ちなみにローソンは、
売上高4979億1300万円で2.6%増、
営業利益704億8200万円で3.5%増、
経常利益717億1400万円で4.1%増。
増収増益。

一方、ファミリーマートと統合するのが、
ユニーグループ・ホールディングス。
決算は5年ぶりの最終赤字転落。

ファミリーマートは5年ぶりの減益、
ユニーグループは5年ぶりの赤字。

日経新聞の記事は、
ユニーのプライベートブランドの方針転換を報じる。

まずユニー食品部門の既存店売上高は、
2014年度、前年度比約1%減。

その中で食品PB売上高は、
700億~800億円。

そこで主力の食品分野のPBを、
品目数1~2割削減する。
14年度は1600SKU超の食品PBを販売した。
この中で高価格帯PB「プライムワン」は1割弱。
このプライムワンをアイテム削減。
さらに低価格帯PB「スタイルワン」も、
特売価格より高いアイテムを削減。

つまり低価格のアイテムに、
品目数を絞り込んで、
1SKUあたりの販売量を増やす。

リミテッドアソートメントで、
単品量販を志向し、
品目あたりの販売量を増やして、
収益性を上げる。

要は薄利多売のディスカウント作戦。

きついようだが、これはもう、
ある意味で「策がなくなった」ことを示している。

それを日経新聞に書かれてしまうことも、
実は大いに問題ではある。

ファミリーマートとユニーグループ。
一体、どうなるのだろう。

糸井のいう「ふつうのおいしいもの」を、
コンビニもチェーンストアも、
売り続けるべきだと思う。

それが「日本の底力」だと信じて。

セブン&アイの鈴木敏文さんは、
「無視」を決め込んでいるが、
内心、ほくそ笑んでいるだろう。

〈結城義晴〉

月刊『商人舎』本日発刊!! 日経一面「小売り、8割が増収増益」 

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月刊『商人舎』4月号、本日発刊!!
201504_gekkan_290x280[1]
もちろん商人舎magazineの、
monthly商人舎4月号も、
本日公開。

その目次。
いつものように一本特集。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[特集] 
ネットスーパー!移動スーパー!!
ポスト・モダンのノンストアリテイリングはどっちだ?!

[Message of April]
世間良し、天も良し。

ノンストアリテイリング――
需要と現実のディレンマからの解脱
〈結城義晴〉

日本ネットスーパー最前線の課題
セブン&アイ、イオン、西友、
ライフ、ヤオコーからスーパーサンシまで
〈経営評論家 保科篤〉

セブン&アイ ネットスーパー西日暮里店の革新
「センター型ダークストア」は
1万品目、1日最大2000件23便体制を構築

無店舗食品販売「日本の草分け」
サンシ宅配サービスのすべて  
[第1部]
スーパーサンシ顧問高倉照和の成功の条件   
「①発注②配送③決済の三原則」から
「なんでもサポート」までを語る

[第2部]
ルポルタージュ31年の歴史と15年前の黒字転換

移動スーパー「とくし丸」
創設者住友達也の独白

買物困難者救済ビジネスの創業から全国化まで、
「三方良し」モデル構築の一部始終

「とくし丸」導入スーパーマーケットの奮闘物語
ナガヤ沼田竹広社長の決断
(静岡県伊東市) 「儲からなくてもよい」
商品部課長鈴木暁さん「毎日が戦争状態の4カ月」
文化堂(東京都品川区)新事業推進課志村孝雄さん
「台東区を1日40km走破・巡回」

ネットスーパーの収益ノウハウ全公開
ネットスーパー研究会監修
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今月もユニークな切り口で、
最前線のテーマを特集しました。

イトーヨーカ堂のダークストアは、
ネットスーパーの収益性に革命をもたらすか。
移動スーパー「とくし丸」は、
地方スーパーマーケットの救世主か?

ご愛読をお願いします。
年間購読制です。

インターネットでの申し込みは、
こちら。

さて今日、瞬間風速だが、
日経平均株価が、
2万円を超えた。

前回の大台超えは、
2000年4月だった。

15年ぶり。

私はそのころ、
㈱商業界取締役編集担当、
兼『販売革新』編集長。

ITバブルは1998年に起こり、
この2000年に崩壊。

この頃、ユニクロは、
「フリース旋風」を起こして、
2600万枚の販売量を記録。

それから日本経済は低迷。
ユニクロも2年後、3年後には、
不振に陥った。

しかし今、
派手な言説が、
世情を煽るように飛び交う。

デフレは終わった。
平成大型景気が始まる。

今日の日経新聞一面トップ記事。
「小売り、8割が増収増益」 

士農工商の社会的序列は、
確かにあった。
そして現在も社会の根底には、
そんな意識が残っている。

しかし今や経済に関しては、
断トツの大新聞の一面トップ記事に、
こんな記事が踊る。

感慨深い。

「小売企業の8割が増収増益」といっても、
それは2月期決算の主要40社の、
2016年2月期決算計画の話。

全体では今年2月期は、
前年比1%の経常減益。

その最大の理由は、
消費増税による消費意欲の低下。

来年2月期はそれが一転、
8%の増益になる見通し。

「業績回復」が鮮明なのは、
日経の表現で「スーパー」と、
「コンビニエンスストア」。

「スーパーは前期の8%減益から
今期は7%の増益に転じ、
コンビニも微減益から
7%の増益になる見通し」

ここでいう「スーパー」は、
主に総合スーパー。

イオン岡田元也社長のコメント。
「変化している消費者をどうとらえるのか、
商品力が勝負の時代になっている」

イオンの前期経常利益は、
前の期と比べ14%の減少。
今年度は8%の増益計画。

セブン&アイ、ローソンは好調を維持し、
一方、ファミリーマートは昨日書いたように、
5年ぶりの経常減益だったが、
今年度は1000店の新規出店で、
15%の経常増益計画。

百貨店各社も堅調な業績が続く見込み。

経済統計でも国内消費は明るい。
これも既にこのブログで書いたが、
3月の日銀短観では、
大規模小売業の業況判断指数は、
先行きについての改善幅が8ポイントで、
非製造業の中で最も大きい。

今後、3月期決算企業の数値が明らかになって、
上場企業の全体像が見えてくるが、
こちらも間違いなく堅調なはずだ。

問題は小売業の中の中小企業。
こちらには依然として、
「六重苦」が横たわっている。

もちろん消費全体が回復し、
経済は活性化しているから、
特別な失策がない限り、
深刻な問題とはならないだろうけれど、
「8割が増収増益」とはいかない。

イオンの前身・岡田屋の家訓。
「上げで儲けるな、下げで儲けよ」

セブン&アイの社是は、
「基本の徹底と変化への対応」

今、そんなときだ。
つまり、奇抜なことに目が移ってはいけない。
オーソドックスに仕事する。

「店は客のためにある」

そして、
売り手良し、
買い手よし、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

今月の商人舎標語だ。
「世間良し、天も良し。」

最後に、日曜日は、
統一地方選挙。

選挙に行こう! 投票しよう!!

よろしく。

〈結城義晴〉

将棋電王戦のプロ棋士勝利と「ブラックボックス」を使い切れ!

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月刊『商人舎』4月号、
昨日発刊。

Website商人舎magazineの、
monthly商人舎4月号も、
昨日、公開。

特集タイトルは、
ネットスーパー! 移動スーパー!!
ポスト・モダンのノンストアリテイリングはどっちだ!?
201504_gekkan_290x280[1]

月刊『商人舎』は表紙にメッセージを載せる。
Cover Messageと呼ぶ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ノンストアリテイリングが隆盛の兆しを見せている。
店舗を持たない無店舗販売。
アマ ゾン・ドットコム、楽天、アスクル、
ジャパネットたかた、千趣会などなど。
店舗というハードウェアの投資がいらない。
顧客はパソコンやスマホで注文し、 待っていればいい。
便利で軽い商売。
インターネットの発達は想像を超えている。
それが食品スーパーマーケットの世界にも及んできた。
いわゆる「ネットスーパー」
21世紀の花形ビジネスに見える。
しかし一方で、「移動スーパー」にも
画期的な革命が起こっている。
「とくし丸」
こちらはローカルチェーンと個人事業主が結びついて、
買物難民を救済する。
商業の近代化は規模拡大と生産性向上一辺倒だった。
しかしその近代化に行き詰ま りが見える。
そんなときに商業の現代化が現れる。
ポスト・モダンである。
ネットスーパーと移動スーパー。
いったいどちらが現代化のイノベーションを果たす のか。
ケーススタディで核心に迫る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

店舗を持って商いすることが、
有店舗販売だ。

その店舗を持たずに商売すると、
無店舗販売となる。
英語ではノンストアリテイリング。

その中間総括的な特集。
中身は紙の雑誌、
または網のWeb Magazineで
どうぞ。

末永く、ご愛読ください。
申し込みは、こちら

昨日は横浜商人舎オフィスを、
宮﨑謙三さんが訪ねてくれた。
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立教大学大学院ビジネスデザイン研究科。
私が昨年3月まで特任教授を務めていた。

宮﨑さんは、この春、
博士課程前期を修了。

博士課程前期を修士課程と言うが、
いわゆる社会人MBA。
この課程を終わらせ、
マスターを修得。

おめでとう。

立教のMBAは2年間の課程で、
1年次は様々な講義を履修する。
宮﨑さんは私のマーケティング講座を取って、
実に優秀な成績だった。

その縁もあって、
私が退任したあとも交流は続いた。

宮﨑さんの書いた修士論文も、
昨年末から今年始に、
ちょっとだけ目を通した。

これも実に上出来の論文だった。

宮﨑さんは、生え抜きのオリックス㈱社員。
ハートフォード生命保険に出向して、
チーフマーケティングオフィサーを経験し、
現在は、オリックス生命保険の監査役。

コンプライアンス問題を研究中で、
これも論文にしようと構想している。

実務家として仕事を極め、
研究者として考察し、y糖鎖を加え、
成果を論文にする。

産学を両サイドから、
体験し、探求する。

実務家としても、
研究者としても、
楽しみな人材だ。

さて週末。
糸井重里の考察。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭コラム。

「たとえば、エレベーターというものが、
どういうしくみで動いているのか、
だいたいわかります。
蒸気機関車だとか、
自動車なんかも、わかります。
飛行機でもロケットでも、
わかるといえばわかってた。
テープレコーダーとか、
レコード盤もわかってたと思う」

こういう言い回しが糸井の真骨頂。
たとえ話を入れる。

「ある時代まで、
世の中にあるいろんな便利なものが、
およそどんなしくみで動いているのか、
たいていの人は、
ざっとでもわかっていましたよね」

「だけど、いまは、
しくみのわかるものが少なくなってて、
『わからなくてもいい』けど
動かせるものになってます」

中年以上の世代の感慨。

「その最たる者が
コンピューター関係のことです。
なにがどうして、どこがどうなって、こうなの?
なんにもわかりゃしないわけです」

ここでまた暗い例。
「コンピューターを使ったゲームでも、
コンピューターを使った買い物でも、
コンピューターを使った調べものでも」

「Googleさんに、
どんなことばでも入れてみたら、
ものすごい速度で、
『これかな?』と答えてくれます」

これも最初は違和感があったけれど、
だんだん慣れっこになってきた。

「なにかを入れたら、
中がどうなってるか見えないけど
とにかくなにかが出てくる。
そういう箱のことを
ブラックボックスっていいます」

そう「ブラックボックス」。
会社の中にも増えてきた?

「昔はあんまり多くなかった『黒い箱』が、
いつのまにやら、増えたこと増えたこと」

専門化だとかスペシャリストだとか、
そういった機能が「黒い箱」に入って、
外部を遮断したら「ブラックボックス」。

「人間の生き方だとか、
はたらき方についてだって、
ずいぶんわかりにくくなっています」

「こんなむつかしい世の中に
弱音を吐くようですが、
金づちと釘みたいに
わかりやすい時代がなつかしいです」

糸井重里は弱音を吐いて、
わかりやすさを懐かしむ。

しかし、弱音など吐いてはいられない。
仕事だもの。

まずは一度でいいから、
ブラックボックスの中に入り込んで、
理解する努力をしよう。

一度でいいから。

そうすれば、次からは、
頭の中の思考回路が働いて、
ブラックボックスを
強い味方にすることができる。

将棋電王戦。
プロ棋士とコンピューターソフトが、
5対5で戦う。

今年は「FINAL」と銘打たれたが、
人間の棋士側が3勝2敗で、
初めて団体戦で勝利。

最終局は阿久津主税八段が、
わずか49分、21手で勝利。

今回はプロ棋士が、
勝負師としての本領を発揮。

コンピューターソフトの攻略法を駆使して、
勝利をもぎ取った。

阿久津八段は、
A級から陥落したばかり精神的ショックを払拭して、
ブラックボックスの中に入り込んだ。

人間にはそれができる。
勝負師はそれを成し遂げる。
知識商人もブラックボックスを、
使い切らねばならない。

〈結城義晴〉


ジジと「選挙に行こう! 投票しよう!!」[日曜版2015vol15]

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ジジです。
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きょうは統一地方選挙の日。
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選挙に行こう!
投票しよう!!

ユウキヨシハルのおとうさん、
そう、いっています。
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だから、選挙にいきました。
DSCN0112-5

いつもの道を、
とおっていく。
DSCN0148-5

夕方の道。
DSCN0154-5

花壇のお花。
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こんなおサンポも、
いいです。
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そして選挙の会場。
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候補者の写真。
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だれが、いいの?
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投票は、だいじなことです。
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会場はここ。
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小学校の体育館。
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なんだか、なつかしい。
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桜もちった。
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投票所。
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おとうさんも投票。
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選挙権の行使です。
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みんな、投票したのでしょうか。
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日曜日にシゴトをしている人が、
投票すれば、
世の中が変わる。
DSCN0118-5
おとうさんは、そう、
かんがえています。

これからもよろしく、
おねがいします。
DSCN0121-5

選挙に行こう!
投票しよう!!

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

マスターズ優勝スピースの「ひとつひとつ、 慎重に、丁寧に」

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Everybody! Good Monday!
[2015vol15]

2015年第16週。
4月の第3週。

2015マスターズ・トーナメント。
DSCN0185-5
1934年から開催されている。
ジョージア州オーガスタナショナル。

球聖ボビー・ジョーンズと、
投資家クリフォード・ロバーツが始めた。

82回目の今回、
21歳259日のジョーダン・スピースが、
ワイヤー・トゥ・ワイヤーで優勝。
DSCN0190-5
wire-to-wireは、
「初めから終わりまで」の意。
初日から最終日まで、
ずっと首位。

そのスピースの15番のティーショット。
DSCN0182-5
テキサス州出身のハンサムなアメリカ人。

オースティン・ゴルフクラブに、
伝説のティーチングプロがいた。
ハーヴィー・ペニック。
スピースのプレーぶりを見ていると、
そのペニックの教えが受け継がれている。

優勝パットがカップインしたあと、
じっと下を向いたまま、
自らの感動を噛み締めた。
DSCN0187-5

パトロンたちの歓声と拍手。
DSCN0188-5
私も感動した。

これからの世界のゴルフ界は、
スピースを中心に動いていくだろう。

日本の松山英樹は、
5位と大健闘。
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Number Webは、
松山を表現した。
「戦い終えた松山は
複雑な表情をしていた。
笑顔のようで、仏頂面のようで」

これが松山の特徴。

次を期待しよう。

マスターズを通して、
ずっと感じたこと。

全選手が一打一打、
実に慎重だった。
実に丁寧だった。

これは仕事に通ずる。

ひとつひとつ、
慎重に、丁寧に。

もちろんゴルフにも、
必須の姿勢だ。

さて日本では、
菜種梅雨。
春の長雨。

毎週、書いているけれど、
週末の雨は売上げに響く。

なんとかならないか。

マスターズのオーガスタナショナル、
その11番・12番・13番の3ホールを、
「アーメン・コーナー」と呼ぶが、
日本の菜種梅雨も、
祈るしかない。

しかし春真っ只中であることは間違いない。

甘藍に蝶の来てゐる八百屋かな
〈朝日俳壇より 加賀市・西やすのり〉
甘藍はキャベツのこと。
こんな春の八百屋、いいですね。

かきまぜてサラダにしたき春の山
〈同 横須賀市・佐藤博一〉
これも見たまんま、
感じたまんま。

一人静二人静より華やげる
〈同 豊橋市・河合清〉
kusaitigo
ヒトリシズカはセンリョウ科チャラン属の多年草。
源義経の愛した静御前の一人舞い、
その姿に似ているからこの名が付いた。

もう一句。
神々の文の如くに春の雲
〈朝日俳壇 岩沼市・佐藤久子〉

日経俳壇には、
見るべきものなし。

雨の春です。

今週の私のスケジュール。

月曜日は、
第一屋製パン㈱の取締役会。
改革を進めます。

火曜日、水曜日は、大阪出張。
雑誌の取材。

木曜日はこちらに戻って、
成城石井東京ドーム店の取材。
楽しみだ。

金曜日は横浜商人舎オフィスで、
来客を迎える。

忙しい1週間。
ロシア民謡を思い出す。

今週のプロモーションは、
weekly商人舎日替わり連載。
月曜朝一・2週間販促企画。

さてさて、最後に、
商人舎オフィスに来客。
DSCN0194-5
右が三木桂さん、左が松井康彦さん。
三木さんは㈱寺岡精工営業ポータルグループ部長。
松井さんは商人舎エグゼクティブプロデューサー。

その後、横浜駅の「木の花」に場所を変えて、
西村馨さんが加わって中身の濃い情報交換。DSCN0196-5
西村さんは、
グローバルビジネスデベロップメント部門本部長。
ソニーのご出身で、
イギリス・ロンドン赴任時のことなど、
共通の話題に花が咲いた。

前の写真では、お二人に、
月刊『商人舎』4月号をもってもらった。

今月の特集は、
「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
移動スーパーのケーススタディで、
とくし丸社長の住友達也さんに、
ご登場願った。
DSCN9605-5

その住友さんからメール。
「さっそく掲載誌を送っていただき、
ありがとうございます。
多くのページをさいていただき、
さらに、今までのメディアとは違った視点で
記事を書いていただいたことに、
心より、感謝します」

「今までのメディアとは違う」
そう言っていただいて、
私も嬉しいです。

「今日、愛媛県今治市の『波止浜スーパー』さんで、
とくし丸がまた1台スタートしました。
今後も、とくし丸を
『近代化を内包した現代化』できるよう、
頑張っていきますので、
引き続き、よろしくお願いします」

私はとくし丸こそ、
「近代化を内包した現代化」だと考えた。

応援します。

さて今週が始まった。
ひとつひとつ、
慎重に、丁寧に。

そして今月の商人舎標語は、
「世間良し、天も良し。」

ではみなさん、
Good Monday!

〈結城義晴〉

Herstory日野佳恵子さんと万代・加藤徹さんとのHistory考

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菜種梅雨。
毎日書いている。

雨は降ったが、
今日はうれしいことが重なった。

まず、午前中。
横浜商人舎オフィスに来客。
DSCN1869-5 
日野佳恵子さんと川勝利一さん。
日野さんは㈱ハー・ストーリィ代表取締役。
川勝さんは商人舎エグゼクティブコーディネーター。

川勝さんのご紹介で、
日野さんに会った。

社名はHerstory Co.,Ltd。
名は体を表す。
これがいい。

History=歴史。
His Story。
「男の物語、つまり歴史」。

Herstoryは、
それを覆す「女の物語、女の人生」。

「Historyとおんなじ数のHerstoryがある」
〈結城義晴〉

その視点から、
マーケティング・コンサルティングを展開する。

月刊『商人舎』は、
どちらかというとHistory系。

ちょいと、反省!

だからHerstoryと、
コラボレーションさせてもらおう。

それが両サイドから、
人類の歴史を検証することとなり、
人類の暮らしを描き出すことになり、
そしてマーケティングを進化させることになる。

よろしく。

その後、すぐに新横浜から、
新幹線のぞみに乗って、
大阪へ。

残念ながら菜種梅雨のため、
富士山は拝めず。

東大阪の㈱万代本部へ。
加藤徹代表取締役社長と懇談。
DSCN1871-5 
㈱セブン&アイ・ホールディングスとの、
資本提携を視野に入れた業務提携。

日本商業のHistoryの歯車がひとつ、
カチッと回った。

とりわけスーパーマーケット産業は、
衝撃的な新時代を迎えた。

万代の2015年3月期は、
過去最高営業収益。
そして過去最高営業利益・経常利益。

その万代とセブン&アイのヨークベニマルが、
東西日本のスーパーマーケットとして、
協力しつつ、切磋琢磨する。

1時間ほど意見交換して、
生野区の料亭久恵へ。
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まさに「春」という懐石料理を堪能。
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加藤さんと固い握手。
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日本一買い物に行きたい店、
日本一働きたい会社。
必ず実現して欲しい。

今日はヨークベニマル大高善興会長も、
万代の店舗視察に訪れ、
私も大高さんと握手。

新しい時代は、
強い企業同士のコラボレーションを、
すんなりと生み出す。

さて、日経新聞夕刊、
『ウォール街ラウンドアップ』
ニューヨークから山下晃特派員が報告。
「ようやく春の訪れを感じさせるニューヨーク。
予報によると今週はセ氏20度付近の
過ごしやすい日々が続きそうだ。
振り返ると2014年度の冬は
歴史的な寒さだった」

「特に2月は全米で気温が下がり、
長期の平均気温を下回った州は
全米の6割に当たる30近くと
79年以降で最も多い」
この文章は、
書き手が寒さに悴(かじか)んだためか、
長くて、歯切れが悪い。

私も今年1月、2月に、
その歴史的な寒さを実体験した。

そして「13日の米国株式相場は反落した」

現在、この厳しい天候の上に、
西海岸の港湾労使紛争を受け、
2015年1~3月のGDP伸び率予想は、
1%台に切り下がった。

消費動向は米国GDPの7割を占める。
その消費を決定づけるのが、
米国小売売上高。

それが「楽観と悲観のシナリオ」を分ける、
一つの分岐点になる。

日本の小売業も、
そんな存在になってゆくに違いない。

イオンやセブン&アイ・ホールディングスの動静、
各地のリージョナルチェーンの動向、
地方のローカルチェーンの奮闘。

ヨークベニマルと万代の連携は、
こういった様々な潮流に、
大きな石を投げ込んで、
Historyをつくった。

その顧客たちはしっかりと、
自分のHerstoryを紡ぎ続けている。

〈結城義晴〉

今年度の改装投資&店齢若返り戦略と「阪急オアシス千里山店」

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日経新聞一面トップ記事。
「スーパー改装に軸足」

同紙がまとめた大手10社の改装投資額は、
前年比3割増の約3800億円。

その10社は、
イオン、イトーヨーカ堂、ユニー、
イズミ、平和堂、フジ。
それからユナイテッド・スーパーマーケット、
ライフコーポレーション、ヨークベニマル、アークス。
前者が総合スーパー、
後者がスーパーマーケット。

とは言っても、
イズミ、平和堂、フジは、
スーパーマーケットも盛んに作っている。

まずイオンは2015年度の国内設備投資が、
1600億円の計画。
既存店舗の改装投資が中心。
その比率は前年度比6割増。

純粋持株会社イオンの子会社で、
総合スーパーを展開するのがイオンリテール。
同社は今年度、60店前後を改装。
これは前年度比2倍。

このイオンの国内投資額は、
トヨタ自動車の約1800億円、
日立製作所の推定2000億円強に匹敵する。

一方、セブン&アイ・ホールディングスの、
総合スーパーはイトーヨーカ堂。
「新規の出店を抑制し、
投資の多くを既存店改装に回す」

同社の今年度設備投資は611億円。
前年より5割増。
80店舗で売場を見直す。
昨年度24店だったから約3倍増。

この2社にユニーを加えた3社は、
総額2600億円の投資額。
これは前年度比5割増。

ライフコーポレーションも、
15年度は過去最大の73億円の改装投資。
特に近畿圏の店舗の見直しを進める。

そのライフは今日、
セントラルスクエア森ノ宮店が、
グランドオープン。
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セントラルスクエアのフォーマットは、4店目。

3318㎡のワンフロア。
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最近のライフらしい、洗練された売場作り。
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私も昨日から大阪にいたので、
夕方、訪れた。

ワインとチーズの売場。
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エディオンとのコラボレーション。
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詳細は商人舎magazineで紹介する。
weekly商人舎。

ご期待いただきたい。

今日はもう一つ、
3月11日にオープンしたばかりの、
ライフ清水谷店にも、
足を伸ばした。
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1985㎡の2フロア。

1階が生鮮食品と惣菜デリなど。
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2階にグロサリー、冷凍食品、
リカーショップとドラッグストア。
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フード&ドラッグのスーパーマーケットとして、
2層店舗を上手くこなしている。

年商20億円の目標。

ライフはこういった新店開発とともに、
過去最多の改装を実施する。

さて今日の大阪滞在の主目的は、
阪食のトップインタビュー。

朝一番で、阪急オアシス千里山店。
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阪急電鉄千里山駅前の店で、
阪食にとって最も得意の立地。

店の前で、
代表取締役会長の千野和利さんと、
取締役専務執行役員の松元努さんが、
出迎えてくれた。
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私は握手して、言った。
「おめでとうございます」

新店オープンはめでたい。

千野さんとともに店内に。
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素晴らしい。

取締執行役員の志水孝行さんから、
実に丁寧に説明を受けつつ、取材。
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息を呑むような売場。
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マグロの解体ショーをやっていた。
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千野会長の持論「ライブ感」。

そしてホスピタリティ。
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お客さんたちは、
心から喜んで買物していた。
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ワンフロア900㎡の小型店ながら、
それを全く感じさせず、
阪食の高質食品専門館のコンセプトを、
十二分に表現している。

店長の竹田綾さんを囲んで、
千野さん、志水さんと写真。
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阪食には7人の女性店長がいる。
竹田さんはそのリーダー。

素晴らしい。

店舗取材が終わると、
3階の会議室で昼食。
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志水さんが選んでくれた、
より優りの意欲的な惣菜、寿司。

舌鼓を打ちつつ、
全部いただいた。

美味でした。
ありがとう。

その後、千野さん、松元さん、志水さんに、
丁寧な説明を受け、インタビュー。
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その深くて濃い内容は、
千里山店とともに、
月刊『商人舎』5月号で掲載。

これは必読の特集です。

阪食は今年、
新店が7店。
改装が20店。

日経新聞の大手チェーンと、
同等以上の店舗投資をする。

今年、店舗に投資して、
全店の平均店齢を、
若返らせることができない企業は、
将来が危うい。

この3年で勝負はつく。

千野和利さんと結城義晴、
見解が一致した。

思い起こせば2011年の2月26日。
商人舎企画の、
「USAスーパーマーケット特別視察研修」
クローズド企画で、
4社のトップ・幹部が参加したが、
このとき千野さん、松元さん、志水さんと、
ご一緒した。

その時の成田空港の千野さん。
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㈱サンシャインチェーン本部社長の川崎博道さん。
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㈱エブリイ社長の岡崎雅廣さん。
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㈱ハローデイ社長の加治敬通さん。
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この1週間の研修会には、
4社の幹部が勢ぞろいして、
学習し、視察し、議論し、
志をひとつにした。

その後、4社は連携を強めて、
実にユニークなクォリティ&サービスの、
スーパーマーケットを開発し続けている。

私自身も、この時、
クォリティ&サービス型を、
研究し、結論を得た。

そして今日は、
千里山店で千野さんの話を聞きながら、
4年前のことを思い出していた。

1カ月も経たないうちに東日本を、
あの地震と津波が襲うとは、
夢にも思わなかった。

しかし、4年間。
阪食はさらに進化した。

そのことを今日の取材とインタビューは、
如実に物語っていた。

〈結城義晴〉

「コトシもワタシも特別なものじゃない!」と「ディテールの追求」

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商人舎magazineには、
主に三つのブロックがある。

第1がmonthly商人舎で、
これは紙の月刊『商人舎』のweb版。

第2がweekly商人舎で、
日替わり連載と週刊特別企画がある。

そして第3がdaily商人舎で、
これは日刊のニュース解説。

今日、第2のweekly商人舎に、
スペシャル・レポートが掲載された。
ウォルマートUS
「6つの原理と8つの改善策」
greg-foran
ウォルマートUSのCEOグレッグ・フォーランの、
厳しい現状分析とそれを乗り切る改善政策。

この中で、日本流の「見切り」と、
ID-POSデータ活用を示唆する言質がある。

ウォルマートも大きく変わろうとしている。

さて、『ほぼ日刊イトイ新聞』。
糸井重里の巻頭言。

「春って、こんなに雨が続くんだっけ」

そして述懐。
「毎年、毎年、ぼくらは、
『こんな天候はめずらしいね』と言いあう。
そして、そういう話は
とても受けがいいものだから、
テレビのなかからも、
戦後2番目のどうのこうの、
150年に一度のなにやら
というような資料を持ち出して、
今年はなんだか
とんでもなくめずらしい年だと言う」

しかし、ここからが糸井。

「たぶん、そんなことは、
人が生きているところで、
ずっと続けられてきたことだ」

「今年の天候はめずらしい、
と言いたがることは、
『ワタシが観に来ると敗ける』と
言うのと似ている」

そのとおり。

「コトシもワタシも、
そんなに特別なものじゃない」

「じぶんや、じぶんの生きている時代や、
じぶんの周囲の環境が
特別なものであると、
どうしても人は思いたがるように
できているらしい」

いるよなあ。
そういうやつ。

以て自戒とすべし、だけれど。

「なんでだろうなぁ、
そのほうが、その、
『ちょっと励みになるから』
かもしれないな」

「『特別のなにか』って、
つまりは彩りや励みなんだよねー」

「差別化」などという作戦も、
彩りや励みみたいなもんなのである。

しかし人間そのもの、
企業そのものの存在は、
ずっと続けられてきて、
ずっと続いていく。

これを「ゴーイング・コンサーン」という。

それこそが、貴重で、
尊重されるべきものだ。

「コトシもワタシも、
そんなに特別なものじゃない!」
そのとおり。

日経新聞のスポーツ欄。
「ハリルホジッチ監督に聞く
サッカー・ジャパン監督。
ご存知のピンチヒッター。

しかし、なかなか、いい。

繰り返す言葉は、
「ディテール(細部)の追求」

ウォルマート創業者サム・ウォルトンの言葉。
「Retail is Detail」に酷似している。

「日本がワールドカップで
8強、4強に残る可能性はある。
人生で一度かもしれないが
勇気をもって挑戦しよう」

日本のチームについて。
「技術は悪くない。
スピードもあるがプレーが遅い。
なぜかというと
足元にパスを要求してしまうから。
相手の背後へスプリントする選手が
本当に少ない」

「そういうディテールが100個くらいある」

さらに、重要なこと。
「世界で何が起きているかを見てほしい。
現代サッカーに適応しなくてはいけない」
これもリテールに当てはまる。

日本の課題は、
失点時にうつむく精神面の弱さ。

「難しいができなければ試合に負けるだけだ。
そうしたディテールを高度に要求する」

「負けを受け入れた瞬間に
私は辞める。
勝つほどにまた勝ちたくなる。
それが私の哲学」。

「2週間前にもビッグクラブから
オファーが来たが断った。
今は私の百パーセント以上を
日本にささげている」

イビチャ・オシム以来、久しぶりに、
言葉と理論と意志を持った指導者だ。

大いに期待したい。

さて今日は、午後から、
水道橋の東京ドームへ。
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読売巨人軍のフランチャイズ球場。

その隣のショッピングセンターに、
成城石井東京ドームラクーア店がある。
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店の取材と店長インタビュー。

実にいい店長で、
いいインタビューだった。

その高橋琢磨店長と、
広報担当の前川康子さん。
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いいインタビューだったことは、
この写真が示している。
詳細は月刊『商人舎』5月号と、
monthly商人舎5月号に掲載。

高橋さんは学生時代から、
小売業志望で、
私が編集長や編集統括をやっていた頃の
月刊『食品商業』の読者だった。

うれしい話だ。

高橋店長は、
100%以上を店にささげている。

素晴らしい。

〈結城義晴〉

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